ミミ言

思っていることをつぶやいていきます

魔王・第2話

~第2話~

熊田弁護士の葬儀。雨の中、熊田の遺影を見ながら、芹沢は懐からタロットカードを取り出し見つめる。芹沢の父親の会社の社長秘書で、芹沢と同級生の葛西(田中 圭)が現れる。そして、芹沢に「林って男、許せないな。」と言うと、「殺したのは林じゃない。」タロットカードを見ながら、「真犯人はこいつだ。こいつが林を操って殺したんだ。」と言う。
そこへ領が静かに現れ、芹沢の背後に立っている。領に気付いた二人。歩き出す領を、遠くから、芹沢の兄(劇団ひとり)と父親が見つめている。芹沢の兄は、領のことを父親に説明する。芹沢の体を気遣う領。事件も解決したことだし、ゆっくり休め、と。しかし、芹沢は領に「事件はまだ終わってない。」と反論。事件の黒幕は雨野真実(あまのまこと)で、雨野を捕まえるまで、事件を終わらせない、と宣言。お互い、無言のまま睨み合うところへ、芹沢の父親が近づいてくる。
「噂は聞いていますよ、天使の弁護士…でしたか。」の言葉に、「マスコミが勝手にそう言っているだけです。場合によっては、私だって悪魔になりますよ。」と不適な笑みで芹沢をチラリと見る領。芹沢の父親は領に、熊田の代わりに、自分の会社の顧問弁護士にならないか、と誘う。領は即答せず、少し考える時間が欲しい、と冷笑するかのごとくの表情でその場を去っていく。動揺する芹沢兄弟だが、芹沢の父親は領に関心がある様子。

熊田の写真を見つめながら、弟が亡くなった時の葬儀の光景をフラッシュバックさせる領。熊田が、芹沢の父親の名前の書かれた香典を持ってやってくる、その名前を見て香典を叩きつける領の母、そして倒れてしまう。弟も亡くし、母親まで後を追うように亡くしてしまい、一人ぼっちになってしまった領…。現実に戻り、熊田の遺影の前で手をあわせる芹沢の父親を、厳しい表情でじっと睨みつけるのであった。

芹沢の友達、宗田の出所祝で店に集まる、芹沢、葛西、石本。宗田は女の家を追い出され、久々に実家に帰ったらこんなのが出てきた、と一枚の写真を差し出した。それは、中学生の頃の写真。顔色が変わる芹沢。脳裏には、領の弟が刺された光景が浮かんでいる。そこへ領が現れる。
助けてもらった宗田が招待したのだ。〝天使の弁護士、成瀬先生だ〟と、皆に紹介する宗田。テーブルの上の写真を見る領。不満そうな顔の芹沢。領は、中学からの関係が続いているのは羨ましい、と言うと、取立屋の石本、タカリ屋の宗田の小競り合いが始まる。注意する芹沢に、宗田は「何だよ、その上から目線はよ。昔の恩を忘れちゃった?俺が前科もんでお前は刑事か。金持ちはいいよな。」という意味深発言。領は、芹沢を睨みつける。本当に殴り合いが始まり、床に落ちた写真を取り上げる領。そして「いい写真ですね、思い出はかけがえのないものです。大切になさって下さい。」と言い放ち、芹沢に渡す。芹沢は憮然とした顔で受け取る。

赤い暗室の中には、2匹のクマのぬいぐるみが置いてある。そして、芹沢の写真を見つめる領。

図書館。『ファウスト』という本を読んでいる領。そこへしおりが、花瓶に入ったユリの花を持って歩いてくる。話しかける領。ユリを見ながら、母が好きな花だったと言う領。そして、ユリは夏の匂いがする、と1本ユリを取り上げ、匂いをかぐ領。

公園。クマのぬいぐるみを女の子に差し出す男。女の子は嬉しそうに受け取る。保育園に行く時間だと、女の子を呼びに来た母親は、ぬいぐるみを誰から貰ったのか聞くと、知らないお兄ちゃんに貰った、と。去っていく後ろ姿の男…。その後ろ姿とつながるように暗室に入っていく領。暗室の中には、もうクマのぬいぐるみは1匹しかない。革手袋をはめ、1枚のタロットカードを取り上げ、赤い封筒に入れる領。次なる犯行への幕開け…と言わんばかりの表情で、封筒を見つめながら、その延長線上の芹沢の父親の写真を冷めた目で睨みつける領。

警察署。雨野真実から芹沢宛にまたタロットカードが届く。緊迫する署内。Moon(月)のカードと同封の手紙には、すべての物が一つの全体を作り上げ、一が他と響き合い、作用しあう、と書かれてあった。
これは予告殺人だと、中田に話す芹沢。中田は、芹沢の知り合いで、誰かの恨みをかっている人間がターゲットなんじゃないか?と。芹沢は、父親の顔を思い浮かべる。

墓の前で、「母さん、今年もユリの季節が来たよ。」とユリの花を手向ける領…。必ず仇はとるからね、と誓っているような表情の領。

芹沢は、父親に命が狙われていると忠告をするが取り合ってもらえない。死ぬときは何をやっても死ぬんだ、と言い捨て部屋を出て行ってしまう。葛西も芹沢の兄も動揺を隠しきれない。

図書館で、領が触れたユリに触れるしおり。衝撃が走る。ユリの花、領の母の遺影を見る。そこへ不適な笑みを浮かべ領が現れ、驚くしおり。一緒に帰る帰り道、今度、自分が手伝っている先輩の店に来てくれと、言うしおり。互いの悲しい幼い頃の境遇を語り合う。同じ匂いを感じた、というしおりだが、領は共感しているようで、しおりを見る目にも一定の距離感があるよう。

葛西のマンション。芹沢の兄の妻が葛西の帰りを待っている。葛西と不倫関係なのだ。そこへ、どかどかと上がりこむ宗田。宗田は、少しの間一緒に住ませてくれ、と言う。そして、芹沢の兄嫁とは知らず、葛西の彼女だと思い込み、近づき挨拶をする。気まずい顔の葛西と芹沢の兄嫁。葛西は、いとこだと言い、何とか宗田を外へ連れ出す。ベランダから宗田と葛西を不安げに見つめる芹沢の兄嫁。そして、傘をさし歩いていく二人の後ろ姿を、見つめる男。領の顔こそは映っていなくても、カメラアングルが非常にいいです。

公園の女の子の母親、新谷多恵に、すごんで取立の電話をしている石本。背後から芹沢が、石本の肩を叩く。石本は電話を切る。取立の仕事を辞めるように諭す芹沢。石本もこれを最後とし、居酒屋をやるつもりだと。しかし、最後の相手は、芹沢のホテルの従業員だから、給料を前借するとかして何とかして欲しいと頼む。芹沢は、前借はできないから、兄に頼み自分が借金の肩代わりをしてやると石本に約束する。
給料の前借をお願いする多恵。多恵は芹沢の父が経営するホテルで清掃員として働いている。しかし、あっさり断られる。落ち込んでいるところへ、宅配便が届いてると言われ、受け取る。雨野真実(あまのまこと)からの宅配便だ。箱の中は映らなかったものの、多分ピストルが入っていたかと思われる。芹沢の父親の部屋を掃除している時に、上着を持った瞬間、財布が落ちる。財布からこぼれ出た札束に目がくらむ。そこへ芹沢の父親が「許可なく入るなと言っているだろ。」と入ってくる。上着と財布を抱えている多恵を見て、芹沢の父親は、「これで何度目だ。泥棒はいらない、明日からは来なくていい。」と言い放つ。

領のオフィス。芹沢の父親の写真が表紙の雑誌を手にし、じっと見つめ、微笑む領。

2枚目のタロットカードが送られてきた時に、同封されていた手紙の文は、領が図書館で読んでいた悪魔と契約した男の話『ファウスト・地獄編』という本から引用されたものだとわかる。

しおりの手伝っているカフェに現れる領。コーヒーを飲んでいるところへ、芹沢が現れる。何故、ここに領がいるのか…と驚いた様子の芹沢。手には赤い封筒を握りしめている。呆然と立ち尽くす芹沢を見て、領はもう帰ると立ち上がる。帰りしな、領は芹沢に「素敵なお父様ですね。誠実という言葉がぴったりです。」と告げ立ち去る。

赤い封筒を差し出す芹沢。
月のカードは待つことを意味する。今は夜で不安な状態だから、明るくなるまで待て…謎めいたことが起る暗示だ、と言うしおり。しかし、その謎に対してなすすべはなく、動くほどに混乱する、と。
店を出た領は、店の方をじっと見ながら、ニヤリと微笑むのでした。
カードの残像を読み取るしおり。クマのぬいぐるみと大きなホテルのロビー、翼の生えた彫刻、ピストルを見る。そのことを芹沢に話すと、「オヤジのホテルだ。」と。中田に連絡し、ホテルにSPを送り込む手配をした、従業員にも気を許すな、と兄にも連絡をする。
芹沢の父親は、パーティーの途中で、別室に避難させられ、激怒し、自宅に帰ると言う。しかし、芹沢はホテルから、一歩も外に出さないと立ちはだかる。

領が現れる。父親に顧問弁護士の件で会いに来たという領だが、芹沢に今日は誰にも会わない、と言っていたと断る。
立ち去る時に、芹沢の体をまた気遣う領。疲労は判断を誤らせる原因です、ゆっくり休まないと本当に大事なことを見落としてしまうかもしれない、と芹沢に言い、振り返った顔には笑みが…。芹沢の父親に会いに来たのではなく、芹沢に、この一言を言うがために会いに来たのだろうと思われる。

公園で呆然としている多恵。そこへ、また男が現れる。女の子は、ニコニコ笑っている。しかし、多恵が気が付くともう女の子の姿は消えていた。多恵は、石本が娘を誘拐したんだ、と思い込み、石本に電話をかけるが、何言ってるんだ、と取り合わない。石本は芹沢に、多恵の借金の肩代わりの件を頼んでくれたか連絡を入れるが、芹沢はそれどころじゃないからまだだ、と話しているところへ、石本のところへ宅配便が届いたと知る。石本が箱を開けると、クマのぬいぐるみとMoon(月)のタロットカードが。芹沢は、石本の元へ急行する。
全速力で石本のところへ向かう芹沢と対照的に、教会へ悠然と歩いて向かう領。しおりが領を見つけ、今日はバザーの日だと告げると、手伝ってもいいかと領は申出る。しおりが、仕事はいいんですか?と聞くと、「今日はもうやることがないんです。夕べのうちに全て済ませておきましたから。」と落ち着いて二コリと微笑む領。

石本のところに、娘を返せと多恵が乗り込んでくる。怒って、多恵を突き飛ばすと、多恵は机の上にクマのぬいぐるみが置いてあるのを見てしまう。それは、石本宛に送られてきた宅配便の中に入ってたクマのぬいぐるみで、石本は机の上に放置したままだったのだ。娘が、知らないお兄ちゃんからもらったと言って持っていたクマのぬいぐるみと同じぬいぐるみ。多恵は、石本が娘にクマのぬいぐるみをあげたに違いないと思い、鞄の中からピストルを取り出し、石本に向ける。芹沢が到着した時には、石本は床に倒れており、芹沢は話しかけるが、苦しそうな呼吸をして意識を失う。

領は、教会の中で、聖母マリア像をじっと見つめている。そこへしおりが入ってくる。そして、しおりに、ユリの花言葉を知っているかと問う。「純潔・無垢。聖母マリアの象徴です。」と言う。すると教会の外から、子供の泣き声が。二人が外に出ると、多恵の娘が階段のところで、クマのぬいぐるみを抱いて泣いている。クマのぬいぐるみを見て、タロットから読み取ったぬいぐるみと同じだとわかるしおり。領は泣いている女の子に「どうしたの?迷子?」と話しかける。女の子は、顔を上げて領の顔を見て、コクリと頷く。そして、優しく大丈夫だよ、と女の子に話しかけている領だが…またまた不適な笑みを浮かべたところで、つづく…。

いやぁ…第2話も面白かったですよ。復讐のために生きる男だけど、自らの手を汚さず、弱い人を操り、一人一人追いつめて復讐を遂げていく…っていう感じで。ストーリーを考えるほどに、結構単純なように見えて、複雑なので、ドラマの展開も速いし、あっと言う間に1時間経ってしまうけど、ボーッと見てる人にはわからないかもしれない。智くんが好きな人は、すんごい集中してドラマ見てるから、多分、見れば見るほどはまってくのかなぁって思いましたね。
智くんたら、どうも、魔王です!!僕、大丈夫!?ってカワイイなぁ、もう。全然大丈夫!第2話での表情は、もう顔が完全に魔王になってましたよ。やはり、智くんは天賦の才能の持ち主です。精一杯(ドラマ)やってるんで、見てくれい!なんて言われたら、もう、ねぇ…見ますよ!どんなことがあっても!