ミミ言

思っていることをつぶやいていきます

流星の絆 第1話

「大人になったら犯人捜してさ、3人でぶっ殺そうな。」

1993年11月 横須賀。
当店自慢のハヤシライス 百年の歴史の味をどうぞ 洋食 アリアケの看板。
有明家は、長男の功一(ニノ)、次男の泰輔(錦戸 亮)、末っ子の静奈(戸田 恵梨香)の3人兄弟と、父親の幸博(寺島 進)、母親の塔子(りよう)の5人家族だ。幸博は、どこかぶっきらぼうで乱暴な感じで、塔子もサバサバとしている。

次男の泰輔が自転車に乗って帰ってくるなり、「兄ちゃん、3組の坂本、天体望遠鏡持ってるって!」と叫びながら家に入ってくる。
「バーカァ!」と寝転んで漫画の本を読んでいた功一は慌てて泰輔のもとへダイブするように倒れこみ止める。
「お前さ、バレたら計画台無しだろ。」と泰輔の頭を軽く小突く。「ごめん…しぃは?」店で黙々とハヤシライスを食べる静奈。

塔子から、店が混んでくる前に食事を済ませるように言われ、「またハヤシかよ…。今日カレーって言ったじゃん。」と泰輔が文句を言いながら、店に入ってくると、父親の幸博は「食いたくねぇ奴は食うな!お前なめんなよ。100年の…歴史の味だぞ。」と言いながら、ライスののった皿にハヤシをかける。
3人はハヤシライスを食べていると、手のあいた幸博が獅子座流星群の新聞記事を見ながら、「しし…ざりゅう?あっ、獅子座流星群か。」と口にする。むせる功一。
様子がおかしい子供達に、塔子は気付き、獅子座流星群を夜、見に行くことがバレてしまう。塔子は子供だけで、夜中に出歩くのは絶対にダメだと言う。幸博に助けを求めるが「流星群を見ないで死んだ奴はいねぇよ。それに今夜は雨だぞ。」と言って取り合わない。

幸博の言う通り、外は雨が降っている。でも、後悔したくないから、と功一は靴を取りに下へ降りて行く。しかし、幸博に見つかってしまう。「早く寝ろ。」と言われ、何とか靴を隠し、部屋に戻り、窓から抜け出ようとすると、静奈が起き、一緒に行きたいと泣き叫ぶ。仕方なしに、3人で雨の中、自転車に乗り、流星を見る場所まで向かう。階段を上り、到着すると雨はやんでいた。ビニールシートを敷き、寝転んで空を見つめる3人。その時、星がひとつスーッと流れていく。一瞬のことで、何も願えなかったが、次々と流れていく星に、目を見張る功一と泰輔。静奈は、さっきまで起きていて、もう帰ろうと言っていたが、すっかり眠っている。

2008年8月 横須賀。パトカーが現場に向かうと、既に座りこんで待っている男がいた。刑事の柏原(三浦 友和)だ。いつも現場には一番乗りで到着しているようだが、柏原の姿に驚く萩村(設楽 統)。柏原は今まで休職をしていたらしい。

東京 吉祥寺。カレーハウス、ジョージクルーニー。買出しをして、店に戻ると、店長の林ジョージ(尾美 としのり)と泰輔が、妻の浮気について喋っている。泰輔はジョージに借金をしていて、功一はバイトも行かずにフラフラしている泰輔にイライラしている。功一が「何してんだよ。」と言うと「カレー食ってんだよ。」と答える泰輔。「カレーなら、もっと安くてうまい店に行けよ。」「俺は、まずくて高いカレーが好きなんだよ。」と言いながら、早く食ってバイトに行けとうながす功一。口うるさい功一に対し、泰輔は「うるせぇな!俺の保護者かよ!」と言うと「保護者だよ。」と答える功一に、泰輔は何も言い返せない。
帰り際に「これでも見てろ!」とDVDをテーブルに叩きつける泰輔。ジョージは、功一が出勤したので、仕事をあがる。功一は、泰輔の食べた皿を片付けながら、しっかりとDVDをエプロンのポケットに入れる。それを見たジョージは、携帯が普及して以降、女と付き合ったことがない、という功一でも、あ…見るんだ、とニヤニヤしながら店を出て行く。

殺人事件の現場で、鑑識待ちの間、殺害死体の横で柏原と萩村はカレーについて話をしている。萩村の家のカレーはどんなカレーなのか聞く柏原。萩村は普通だと言う。カレーの作り方を説明するが、チョコレートは入れないのか?と聞く柏原。普通は、チョコレートは入れない、という萩村。柏原は「どっちが普通かわからないだろう。皆、自分が普通だと思ってるんだよ。チョコレートも入れたことないくせに。だから、普通じゃないことをやらかした時も、ムシャクシャしてとかそういう普通な事しか言えねぇんだよ。普通な奴があそこまでやるか?やらねぇよ。」と言っているところへ、やっと鑑識が到着。柏原は、カレー食ってくる、と言い残し、現場を立ち去る。柏原は、病気の子供がいたから休職していたが、昨日亡くなったので、仕事に復帰をしたのだ。

客で混み合うジョージクルーニー。功一は一人で客を捌いている。そんな中、「ハヤシライスを下さい。」と声をかける男 戸神行成(要 潤)。功一は「あー、終わっちゃいましたね。」と答え、客にカレーを運ぶ。すると、カウンターの隅っこで、カレーの上にチョコレートを削って入れている男がいる。功一は呆然と見つめている。柏原だ。「びっくりした?」と功一に話しかける。功一は「何でここがわかったんすか?」と聞くと「なめんなよ、警察を。大きくなったなぁ、功一。」と答える柏原。

1993年 11月。アリアケの店の横で傘でゴルフの素ぶりをする柏原。柏原も萩村も、功一達の両親が殺害された事件の担当だった。お互いの近況を話しながら、歳月の長さをかみしめる。弟や妹とも会っているのかと聞く柏原に、功一は静奈とも血はつながっていないし、会っていないと嘘をつく。尋問のように質問をする柏原に段々苛立ちを隠せない功一。柏原から、静奈が母親の連れ子だということをまだ話していないのか?と聞かれ、苛立ちが頂点に達し、「何しにきたんですか?」と聞くと、「カレー食いにきたんだよ。」と店を出て行く。
トミーリージョージ。泰輔のバイト先のDVD安売り店。静奈がやって来る。泰輔は功一に会って来たという話を静奈にする。かわいそうな顔をしていた、という泰輔。泰輔と静奈は、功一はかわいそう村の村長だ、26になっても彼女の一人も友達すらいなくて…とバカにしている。泰輔と静奈は一緒に暮らしている。帰り道、静奈は会社を辞めたことを泰輔に告げる。ポストイット好きの上司の高山(桐谷健太)からの嫌がらせで、何でもかんでもポストイットにメモを書き、貼られ、文句を言ったら、地味と書かれたポストイットを頭に貼られたことで会社を辞めたという静奈。しかし、泰輔から気があるからじゃないのか?と言われ、ゴミ箱を調べ、捨てたポストイットの中に誘われている内容のことが書かれていて、初めて気付く静奈。そんなことで大手の会社を辞めるなんてと言う泰輔だが、静奈はケロッと、やりたいことも見つかったからいい、と答える。

ジョージクルーニー。また、戸神が店を訪れ、ハヤシライスを注文したが、チキンカレーが出てきたので、功一に抗議をしている。また「終わっちゃいましたね。」と答える功一に、
開店時間を確認し、チキンカレーを食べずに、また来るとお金だけを払って出て行ってしまう。そこへ、泰輔から静奈がキャンギャルのバイトをしている、路上で避妊具のサンプルを配布していると連絡が入り、会社を辞めたことも何も聞かされていない功一は、慌てて店を飛び出す。

漫画喫茶の個室。3人で篭もり、静奈は功一に事情を説明している。あっけらかんとしている静奈に、驚かされてばかりだが、静奈はやりたいことが見つかった、と言う。
信号待ちをしていたら、エステティックアドバイザーと称する女から話しかけられ、エステティシャンの話を聞く。資格を取れば、働き口を紹介できると言われ、その資格を取得するには、30万円支払って講習を受けることが必要だ、と。一旦はお金もないので断ったが、その日の午後、高山から地味というポストイットを頭に貼られ、勢いで辞表を提出し、消費者金融でお金を借りて、エステの講習を受けることにした。
夢見がちに話す静奈だが、功一の顔は暗く、資格商法で騙されていると言う。しかし、静奈は、自分がやる気を出したのに何故邪魔をするのか?と怒る。泰輔が届いた教材のDVDをデッキに入れたら、でたらめな映像が流れ、功一がいじわるで言っているんじゃないとわかる。警察に相談しても無駄、クーリングオフの期間も過ぎているし、消費者センターに言っても連絡がつかないんじゃどうしようもない、と言う功一だが、静奈のことを心配し、悲しそうな顔をする功一を見て、静奈は逆切れをし、自分(静奈)のことをかわいそうだと言う功一のほうがよっぽどかわいそうだ、と責める。

ジョージクルーニー。戸神が開店時間前にやって来る。ジョージクルーニーの店の2階の部屋に住んでいる功一は、戸神に叩き起こされたのだった。また、ハヤシライスを注文するが、眠そうな功一から「あー終わっちゃいましたね。」と言われ、この店にハヤシライスはないんですね、と言っているところへ、店長のジョージが出勤してくる。功一は、ハヤシライスありますよ、とジョージにオーダーする。納豆とライスの上に目玉焼きを沿えてある皿を戸神の前に差し出すジョージ。林さんが作った賄い飯=ハヤシライスと納得した戸神。戸神は東京中のハヤシライスを食べ歩いており、このところハヤシライスばかりだから、これでもいい、とジョージの作ったハヤシライスを食べる。

静奈と泰輔は、静奈が騙された時と同じ要領で、他の人を騙そうとしているところを、功一に見つかってしまう。
功一から説教をされる2人。騙されたお金を取り戻そうとしてやったことだと泰輔は言う。諦めるのは嫌なんだと言うと、誰が諦めると言った、と功一が話し出す。功一は、5日に分けて張り込みをして、静奈を騙した女を割り出したとパソコンを見せる。2人から執念深い、気持ち悪いと言われるが、女からお金を取り戻すための計画を打ち明ける。調べでは、女は騙したお金をホストクラブで使っていたというので、功一は用意周到に台本まで書いていた。泰輔をホストクラブに送り込み、女が目当てのホストの情報を探り出させ、静奈をホストのタイプの女性に仕立て上げ、女がホストに使った自分の30万をホストから取り戻すという功一の書いた台本通りに作戦は見事成功し、30万は静奈の手元に戻ってくる。
3人はジョージクルーニーで、無事30万を取り戻せたことを喜んでいるが、屋上へ行こうと誘う静奈。
屋上で、ビニールシートを敷き、3人横たわって空を見つめる。静奈は、会社を辞めた本当の理由は、自分の両親が殺されたことを同期の子に知られてしまい、それ以来、皆の態度がよそよそしくなったのが嫌だったと話す。「もう終わったことなのに引きずって…。」という静奈に「終わってねぇよ。終わったなんて言うなよ。悲しくなるだろ。」と涙ぐむ功一。
1993年 11月。獅子座流星群を見て、戻ってきた3兄弟。こっそり家に入ろうとして、功一は泰輔に両親の様子を見に行かせ、店から鍵を開けて入る。静奈は功一の背中でスヤスヤ眠っている。泰輔が裏口に自転車をとめると物音がし、男が慌てて自分の家から飛び出して行った。そして功一と泰輔は、血まみれになって倒れている両親の姿を目の当たりにしてしまうのだった。
自分だけ事件当夜に流星を見れなかった静奈は、その後、預けられた孤児院から、夜抜け出し、功一と泰輔とあの晩の場所に行くが、全く流星を見ることができず泣き出す。泰輔も、今なら一杯願いたいことがあるのに…あの時もっと願い事をしておけばよかった、と泣き出す。そんな2人を見て、どうすることもできない功一も泣いてしまう・・・そんな光景が思い浮かぶ。

功一は、柏原が店に来たこと、あと少しで時効が来ること、を2人に話す。
「俺は警察なんか信用しない。勿論、お前らともずっと会ってないって言っといた。捜すんだよ俺達で。何年かかってもいい。捜し出して必ず殺してやるんだ。流れ星なんか当てにしねぇ…自分らで叶えんだよ。」と言う功一。何も言わず、遠くを見つめる泰輔と静奈。