ミミ言

思っていることをつぶやいていきます

流星の絆 第2話

1993年11月 横須賀
両親を殺された功一は、柏原と萩村から事情聴取を受けている。両親から止められたにもかかわらず、部屋を抜け出し、獅子座流星群を見に行っていたと話す功一。靴を取りに行って父親に見つかったことも、その時、部屋をちらっと覗いたら、母親が泣いている様子だったことも、覚えていることをすべて細かく話す功一。また、自分も辛くて悲しいのに、必死で耐えながら、泰輔と静奈のことを気にする。

静奈は仕事を捜し、いくつか面接を受けるがうまくいかない。コスメのショップでの面接でも地味と言われ、逆に派手な化粧を施されてしまう始末。苛つきながら、泰輔のバイト先に立ち寄ると、そこに、会社を辞める原因となった高山が現れる。高山は、静奈を見ても、派手なメイクをしているのでわからない。資格商法の詐欺にあった時、功一のシナリオで30万円を取り戻したので、泰輔と静奈は高山を見返してやりたい、と功一に相談するが、功一は、見返すというのは、ちゃんと再就職して生活を安定させ、高山以上の男と結婚することだと真っ当なことしか言わず、泰輔も静奈も予想通りの返答で面白みがない、と功一を責める。

14年前の両親殺害事件の時に、犯人の顔を見たのは泰輔だけで、泰輔の記憶を頼りに似顔絵が描かれる。功一はその似顔絵を自分のPCの壁紙にしている。
最近になって、その似顔絵に似た男の目撃情報が得られ、柏原と萩村がジョージクルーニーを訪れる。泰輔にその男が犯人なのかどうかを確認して欲しいという依頼を承諾してくれるように言う二人に対して、功一は敵意をむき出しにするかのように、断る。功一は、その話を泰輔にすると、泰輔は捜査に協力をする、と答えるが、功一は自分達の手で捕まえないと意味がないと反対する。もし、警察が犯人を捕まえても、裁判が始まり、裁判になれば何も関係のない弁護士や検事が事件の関係者でもないのに、介入してきて、自分達は法廷の隅っこで何もできず、犯人の後ろ姿を見ることしかできない、殺すことも殴ることすらできない、と言う。泰輔は、今でも遺族という立場の自分が、何をする時にでもついてまわることに嫌気がさしているから、早く決着をつけたい、と功一に言う。静奈も泣きながら、自分達だけが辛い思いをして、犯人が平気でいるのは嫌だと言う。泰輔と静奈の意見を聞いて、功一は二人を連れて犯人に似た男を捜しに、出かける。

似顔絵を頼りに、犯人探しを始める3人。泰輔は、犯人を捜しながらも、あの事件の日、台所のバケツの中にあった家族のものじゃないビニール傘が置いてあったことが脳裏に浮かんでいる。犯人捜しをするも、結局、警察が得た犯人の情報はガセネタに過ぎなかった、とわかる。帰りに立ち寄ったファミレスで、オーダーした料理を待ちながら、功一は静奈がペーパーナプキンで折鶴を折るのをボーッと見ていて、子供の頃、静奈が母親のためにと折り紙で折鶴を折っていたことを思い出している。静奈から、またかわいそうな顔になっている、と言われて、ふと我にかえる功一。すると、隣の席の夫婦が、投資商品を勧めているのを目にする。
3人は高山を見返すために、泰輔と静奈の部屋で計画を立てる。泰輔は完璧に騙す側の会話を覚え、準備万端だが、静奈は自信がないと言う。そんな静奈に泰輔は、いざとなったら静奈の色仕掛けでカバーすればいい、と。しかし、静奈は、前回は静奈として騙したわけじゃないから、演技ができたが、静奈として騙すのは抵抗があり演技がうまくできるかどうかわからない、騙す相手は、高山以外じゃダメかと言う。功一は、知らない人から金を騙し取るのは〝アリアケ3(スリー)〟のポリシーに反する、と何気なく言った発言に、泰輔も静奈から〝アリアケ3(スリー)〟って何?と突っ込まれ、ダサいとか散々けなされ、ステッカーまで作っていたのに落ち込み、バイトもないのにバイトだと言って出て行ってしまう。ジョージクルーニーに行くと、最近現れる謎の女(中島美嘉)とオーナーのジョージが飲んでいる。謎の女は、馴れ馴れしく功一のことを「アクセル」と呼ぶ。ジョージは功一の知り合いかと思って飲んでいたらしいのだが、功一が知り合いじゃない、と言うと、店を出て行ってしまう。また、店にはもう一人の客、戸神が来ており、眠っていたのに急に目を覚ます。そして、ハヤシライスについて熱く語り始める。ジョージは「こいつの実家、洋食屋ですよ。」と言い残し退散する。戸神は洋食屋と聞き、朝までハヤシライスについて話し合おう!と功一に言う。カレーを食べながら、戸神の熱意に負け、語り始める功一だったが、戸神は話途中で、眠ってしまう。

そんな様子を見て、功一は部屋の片隅に積まれたダンボールの中から、1冊のノートを手にする。〝アリアケ1986~〟と表紙に書かれたノートには、アリアケのハヤシライスのレシピが書かれている。子供の頃、そのノートを盗み見をして、父親からひどく怒られたことを思い出す。継ぐ気があるなら教えてやる、と父親に言われ、何故ノートをこそこそ盗み見したのかと母親から聞かれる。友達から洋食なんか誰でも作れる、どんなおいしい料理だって作り方さえわかればできる、と言われ、ノートを見て作り方を覚え、友達の家で作ろうと思った、と白状する功一を、幸博は店に連れて行き、一からハヤシライスの作り方を教える。初めて自分の手で作ったハヤシの味見をし、父の幸博から、「誰にでも作れるものでないとわかれば、お前にも作れる。但し、友達の家でなんて作るな、この店で作り、作ったら金を取れ、このハヤシにはそれだけの価値がある。」と言われる。子供の頃を思い出しながら、ノートを見てハヤシを作る功一。そんな功一を店の外から、柏原は見つめている。

朝、完成したハヤシライスを、戸神に差し出す功一。戸神の熱意に負けて作った、温かいうちにどうぞ、と勧めると、ハヤシライスを見つめながら「朝からこんな重たいものが食えるか!」と怒鳴る戸神。驚く功一。その横からジョージが林ライスを差し出すと、「ちゃんとしたものはちゃんとした店で食べるから、僕が食べたかったのは林さんライス。」だと言う。
呆然とする功一。寸胴一杯に作ったハヤシを持って、泰輔と静奈の部屋を訪れる功一。3人はハヤシライスを食べる。お父さんの味だ、と言って喜んでハヤシライスを食べる2人を見ながら、初めて子供の頃、功一の作ったハヤシライスを家族5人で食べた記憶と重ねる功一。
「また作ってよ。」と言う2人に「いつでも作ってやる。」と涙を隠すようにハヤシライスを食べる功一を優しい眼差しで見つめる泰輔と静奈。そんなところへ、静奈の携帯に高山が入院した、とメールが入る。会社を辞めてからも高山からはメールがきていた。
ここから、功一の書いたシナリオ通りの計画がスタートする。静奈は、今回、高山からカモるために、ドル建て債券って知ってますか?というメールを送っていたのだ。
高山は思い上がった妄想男で、静奈も自分に気があるかと思っている。静奈からきたメールに、返信を返すも、何の連絡もないことに焦る。イライラを募らせたところで、スポーツクラブでトレーニング中、パワーリフティングのバーベルを足に落としてしまい骨折し入院。高山から入院した、というメールを貰った静奈は、派手なメークを施し、南田という名札をつけて一度だけ看護婦姿で高山の前に登場。すっかり静奈扮する南田の虜になった高山。