ミミ言

思っていることをつぶやいていきます

流星の絆 第3話

功一のシナリオ通りに、泰輔が銀行員に扮し、看護士に扮し南田と名乗る静奈が高山を騙し始める。泰輔は、ノルマをかかえた行員で、南田の先輩という設定である。高山は妄想癖があるので、それを利用し、計画を進行し、高山から150万円を騙し取ることに成功する。
その夜、祝杯をあげる3人。しかし、静奈は一人だけイライラしている。なぜなら、泰輔が高山から預かった通帳・印鑑・保険証を持って銀行へ150万を下ろしに行っている間、高山から散々静奈の悪口を聞かされていたからだ。地味なバカ女、苦労らしい苦労もしてないからちょっと嫌なことがあると簡単に投げ出してしまう…と。静奈は、何も知らないくせに、と怒る。そんな静奈に、功一は「苦労してそうに見えるよりいいじゃん…。だって、苦労してんじゃん、俺ら。」と言う。
そして、功一の部屋で、150万を山分けするが、泰輔も静奈も取り分が少ないことに不満。功一は、高山を騙すだめに準備した証券偽造のための本やらで90万かかり、静奈のローンと泰輔がジョージにしている借金を返済し、そしてアリアケ3(スリー)のステッカーが5万…と言い出すと、泰輔も静奈も聞いてない、と怒り出し、功一を責める。しかし、功一は「お前達みたいに、俺は友達とかいねぇから、寂しくて、ついステッカーとかTシャツとか作っちゃうんだよ!」と言うが、ステッカーだけでなくTシャツまで作っていた功一に、泰輔も静奈も呆れて出て行ってしまう。

ジョージクルーニーの店に柏原と萩村が、功一に話があるとやって来る。ジョージも同席のもと、話を聞くことになる功一。ジョージは、功一達が育った、聖ジョージ孤児院の院長で、その頃から功一達の面倒をみていたのだ。
先週、横浜で小さな喫茶店を拠点にして、20年もの間、ノミ行為をしていた連中が摘発され、その顧客リストの中に功一の父 幸博の名前もあったと言う。萩村は、事件当時、父親に相当額の借金があったことは知ってるよね、と功一に聞く。功一は、それは店の経営が厳しくなったからだ、と思っていた、と答える。萩村は、ジョージに、両親がギャンブル好きだったことを話していなかったのか?と聞く。ジョージは、3人が大人になってから話すように言われていたが、黙っていた、と。そして、重たい空気は苦手だから、と途中で退席してしまう。
幸博が大の博打好きで、母の塔子とそのことでよく喧嘩をし、塔子は家を飛び出すと、パチンコ屋に行っていた、と聞かされる。塔子もパチンコ好きだったらしい。その話を聞き驚くが、薄々何かあるな…と気付いていたという功一。事件当日、両親は朝から親戚や知人のところを回って、金を集めており、銀行から借りた金も合わせて200万の現金を持っていた。しかし、その現金が事件後には消えていた。犯人は貸した金を取り返して逃げた…今回のノミ屋摘発で、その中に犯人がいるかもしれないので、と捜査再開となった、進展してるよ?と言う萩村に、功一は「貸した人間が借りた人間を殺すって、逆でしょう、普通。」と冷めている。柏原は「カッとなったら、普通じゃないことをするのが人間だ。しかも、両親が借りてた相手はノミ屋だけじゃなかった。もし、その200万円を複数の債権者への返済に充てようと考えていたら?全てが真実だと思うことはない。ただ、ひとつだけ真実があるぞ、お前の父ちゃんのハヤシライスは日本一だったよ。」と言うと、功一は「そんな…当たり前じゃん。」と答える。
功一は、泰輔と静奈に刑事から聞かされた話をする。静奈は、父親が競馬にはまっていたことも、借金があったことも知らなかった、とショックを受ける。泰輔は「競馬が好きだったことは覚えてるけど…。」と口ごもり、功一を見る。二人の様子を見て、ちゃんと説明をして欲しい、という静奈に功一は泰輔が小学校の時に書いた作文を持ってくるように言う。箱の中から探し出した作文を読む静奈。作文のタイトルは『日曜なんかきらい』。父親は洋食屋のコックをしているが、日曜になると朝から、キャッチボールをして遊んで欲しいという子供達をほったらかしにし、戦場へ出かけると言って、パチンコ屋の開店に並び、儲けたお金を持って競馬場へ行く。母親は父親を捜しに行ったきり、パチンコ屋に入り浸りとなり帰って来ない。日曜日に父親と遊んだことがない、回転寿司に行きたいと言ったら殴られた、だから日曜日は大っ嫌いで、日曜日も学校へ行きたい、と書かれていた。
その作文を持って、担任が両親のもとを訪れ、泰輔の作文を読んだ幸博は、功一と泰輔を呼びつけ、きっぱりギャンブルをやめる、と土下座して宣言する。それ以来、日曜日に遊んでくれたり、回転寿司にも行った…そのことを何となく静奈も覚えている、と言う。しかし、母親に隠れてギャンブルを続けていたらしい。静奈は、当時はまだ7歳で、父親に対する記憶は正直あまりなく、優しくて料理上手くて楽しい人だと思っていたけど、本当は違ったんだ…200万なんて、高山から簡単に騙し取れるような金額で殺されるなんて…と泣き出す。そんな静奈に、功一は「お前が思ってた通りだよ。ギャンブルやってて借金があっても、優しくて料理が上手くて楽しい父ちゃんだったよ、父ちゃんも母ちゃんも最高だったよ。」と慰める。

屋台で飲みながら、摘発されたノミ屋の中にも、容疑があるような人物もいなかった、と柏原に告げる萩村。遺留品のビニール傘からは指紋も出ず、指紋を拭きとって忘れていく犯人はいない、犯人は有明夫妻に招き入れられた顔見知りの犯行だ、と断定する柏原。しかし、顔見知りといっても、萩村は塔子の前の男にも会った思い出話をする。その男は、塔子と愛人関係にあり、静奈はその男の子供だったが、男には妻子もあり、静奈を引き取る気持ちはない、ときっぱり言い放つ。

泰輔は功一に、そろそろ静奈に本当のことを話したほうがいいんじゃないかと相談する。
本当は静奈だけ血のつながりがない、と。もう大人なんだし、この関係にヒビが入ることはない、と泰輔は言うが、功一は、ずっと黙っている。しかし、刑事とか関係のない奴から聞くぐらいなら、功一か泰輔かどっちかから話した方がいいな、そのうち話すよ…という結論を出す。
泰輔と別れて、ジョージクルーニーに戻ると、店の前に黒塗りの車が停まっている。店に入ると、戸上の運転手から名刺を渡され、戸上は洋食 とがみ亭の御曹司だと聞かされる。とがみ亭は1985年に横浜の小さな洋食店からスタート。創業者の戸上政行は、名物のハヤシライスで店を大きくし、チェーン店へと展開。チェーン店だが、新しい店のオーナーにはその店オリジナルのハヤシライスを作らせるので、店によって味が違うらしい。今度、麻布に1店舗新設する予定だが、その経営を息子の戸上 行成が任されることになった。政行は苦労人で、自分のレシピは部下にも家族にも教えないので、行成は経営を任されて、必死になっているんだ、と言う。その話を黙って聞きながら、功一は過去のことを思い出す。
施設に行く時に、箱に持っていく荷物を詰めている3人。荷物は1人1個と言われているので、必要なものだけを箱に詰めるように指示する功一だが、泰輔も静奈も全部大事だから、と玩具を持って泣いている。玩具なんてなくても困らないけど、衣料品とかは誰も買ってくれないんだぞ、と必要なものを詰めるように言う功一。泣きじゃくる静奈に、今から我慢することも慣れておかないと、と言いぬいぐるみを取り上げる。そして、両親の部屋に行き、1人2個ずつ、父親のものを1つ母親のものを1つ、形見として選ぶように言う。静奈は、母親の鏡台から、口紅とコンパクトを、泰輔は父親の時計を選ぶ。そして、功一は、仏壇の引き出しから、ハヤシライスのレシピの書かれたノートを取り出す。これさえあれば、いつでも父ちゃんのハヤシライスが作れるぞ、と3人はノートを見て微笑む。取り壊される店の前で3人は、大人になったら犯人を捜して仇を取ると誓い、施設へと向かう車に乗り込む。

功一が、ハヤシライスのレシピの書かれたノートを見つめ、思い出に浸っているところへ、戸上行成が現れる。また酔っ払っている。親子2代でやっていると、ストレスが溜まる、という行成の言葉に、カレーをかきまぜながら、父と2人で洋食屋をやっていたら…と2人でハヤシの鍋をかき混ぜている姿を想像する。すると、行成は、功一の実家の洋食屋に行ってみたいから、場所を教えて欲しい、と言う。もう店はなくなった、と言う功一に、行成は、経営難で潰れたのだと思い、飲食業はどこも大変だから、悲しいけど味だけで勝負できる時代じゃない、と言うと、功一はきっぱりと、「そうじゃなくて、親父、殺されたんです。」と笑みを浮かべて言う。唐突な功一の言葉に驚く行成。

ダイヤと嘘とやさしいレストランという新しい、功一の書いたシナリオで詐欺計画がスタート。戸上行成は任された店舗で、本店のハヤシライスの味を再現したい、と父親 政行に申出る。政行は、自分に対する挑戦か?と言い、やってみたらいい、但しレシピは教えない、と言う。ワインの試飲会に、忍び込んだ泰輔と静奈…。

功一が、泰輔の書いた作文を読み返しているところへ、柏原が訪れハヤシライスを注文する。功一は「終わっちゃいました。」と答える。