ミミ言

思っていることをつぶやいていきます

流星の絆 第8話②

戸上の家に行く日。静奈が支度する姿を、見つめる功一と泰輔。静奈がやりにくいと言うと、「最後だから…なんだ、あれだ、娘を嫁に出す気分だよ。」と功一。どういうつもりかと泰輔に責められ、静奈にも睨まれ、間違えた、と慌てる功一。そして、最後の打ち合わせをする。静奈は、政行は留守で母親としか会わない、家の中を案内してもらう予定だから、その状況でレシピノートを隠す、と言う。功一は、くれぐれも指紋をつけないように注意しろと言うと、手袋を見せる静奈。泰輔は手袋をどんなタイミングではめるのか心配するが、静奈はうまくやるから大丈夫だ、と。功一は、静奈にビニールの袋に入ったアリアケのレシピノートを託し、「頼んだぞ、しぃ。」と言うと、「うん。行ってきます!」とピースサインの敬礼をする。それに応え、功一と泰助もピースサインの敬礼をするが、不安を隠せない。

戸上の自宅前。車から行成と静奈が下り、家へ入る。その姿を路上に停まっている青い車から柏原が見ている。

戸上の家に入ると、貴美子が2階から何も言わず下りてくる。静奈は畏まって、行成に聞いた貴美子の好物の羊羹の手土産を差し出すと、態度が急変し、くだけた感じになる。
功一と泰輔は、静奈の連絡を心配しながら待っているが、柏原から連絡が入る。拉致があかないから、戸上の家に乗り込もうと思う、その前に戸上の顔を確認するため、泰輔に戸上の家まで来い、と言う。泰輔は一旦電話を切り、功一にそのことを告げると、功一は、まだノートも隠してないし、何故今日なんだ?と動揺する。

貴美子は静奈に色々と質問をする。行成は横で、鬱陶しそうに窘める。行成のどこがよかったのか?と聞かれ、静奈は、誠実で仕事熱心で前向きで思いやりのあるところ、と答えると、いい人を見つけたじゃない、と大はしゃぎの貴美子。そして、静奈に高価な香水を差し出す。喜ぶ静奈。会う前は招待するのに反対だったが、行成は静奈と出会うために運を取っておいたのよ、と言う貴美子。静奈は、自分の任務を忘れてしまいそうなくらい幸せに思う。そこへ政行が突然、帰ってくる。挨拶の後、とがみ亭と同じ味のハヤシライスを食べた店の名前を聞く政行。動揺する静奈。苦し紛れに、「覚えていない、横文字の名前だった…と思う。」と答える。

泰輔は柏原に電話をし、功一が急に行きたくなったから、これからキャバクラに行こう、と誘う。

部屋を案内される静奈。和室に飾ってある、お茶の茶碗を見て触ってもいいか?と行成に確認し、骨董品やグラスを手に取る時、指紋や油がつくのを気にして落としてしまうといけないから、いつも持ち歩いている、と自然に手袋を出してはめる。行成はそこまで気を使える女性はいない、と感動する。
次の部屋は書庫で、本棚に数多くの本が納まっている。政行が集めた世界中の料理に関する本だ、と言う。静奈は隠すならここだと思う。そこへ貴美子がやってきて、そろそろ下でお茶を飲もう、と言う。静奈は、一緒に行くふりをして、トイレに行きたいと言い、そのすきに書庫へ戻り、本と本の間にレシピノートを隠すことに何とか成功。書庫を出ると、政行に出くわす。トイレの場所がわからない、と誤魔化す静奈。

キャバクラでは、静奈のこともあり、慣れない功一はぎこちない動きだ。そんな功一の様子を見て、柏原は無理をしていないか?と聞く。功一は、すきを見て泰輔に、静奈が戻ってくる頃だから、マンションに戻るように指示する。

マンション前まで、送ってもらった静奈は、行成から留学する前に話があるので時間を作ってほしい、と言われ承諾する。マンションの階段を上ろうとするが、振り返り、見送る行成を見て、駆け寄り抱きつく静奈。その様子を、階段の踊り場から見つめる泰輔。階段を上ったところで、静奈と出くわし、お互い気まずい。

政行は警察に呼び出され、時計の指紋とビニール袋についた指紋が一致した、と言われるが、知らないと答える。そして、キャラメルの缶からも指紋が出たのか?時計には触ったかもしれないが、天井裏に隠したのは別人だと考えるのが妥当なのでは?と言う。
柏原はジョージクルーニーに来て、そのことを功一に報告する。しらばっくれているとしたら、強敵だと思ったが、実際、政行の言う通り、時計以外のものから指紋が出てこないのはおかしい、と言う。そして、政行が、幸博の写真を見ても知らない、ニューフロンテで幸博ともめたことも、覚えてない、と言ったと柏原から聞き、功一は、苛立ちを隠せない。警察は政行を信じるのか?今は、戸上が犯人だ、という証拠も目撃者も揃っているのに、家宅捜査はできないのか?と柏原を責める。
すると、柏原は「そこだよ。14年間、これといった手がかりが掴めなかった事件が、ここにきて情況証拠がポンポン出てきた、それで捜査も進展した。でも、何かひっかかる。例の盗難車だよ。すべてはあの車から始まった。だが、車泥棒は捕まっていない。俺はなぁ、功一君、何者かによって警察が誘導されてるんじゃないかなと思うんだよ。」と功一をじっと見つめ言う。功一は、臆することなく柏原を真っ直ぐ見て「誰が何のためにそんなことするんですか?」と挑発的に答える。「さあなぁ…。」と言い、チキンカレーをオーダーする柏原。そして「そういえばこの間、戸上の家でハヤシライス食ったわ。うまかったんだよ、何かお前んちのハヤシライスを思い出した、懐かしかったなぁ…何度も通ったからなぁ、うまかったよなぁ、親父さんのハヤシライス…。犯人つきとめたら、お前どうする?俺が刑事だってことを一旦忘れてさ、単なる50過ぎのオッサンの質問だと思って答えろ。犯人わかったらどうする?」
柏原の質問に「殺しますね。」と迷うことなく、キッパリ答える功一。じっと功一を見つめる柏原。「柏原さんは…?刑事じゃなかったら、どうします?」しばらく考え込み「殺すねぇ。まぁ…一応、そのくらいの覚悟でやってるよ。」功一は、柏原にハヤシライスを差し出し、「裏メニューなんで…早く食べちゃってください。」と言う。ハヤシライスを食べて「うめぇよ。」と言う柏原。ニッコリほほ笑み、背中を向けて涙ぐむ功一。

静奈は、部屋にこもり酒びたりの日々を送っている。戸上からの電話にも耳をふさぐ。

功一と泰輔が戻ってくると、マンションから静奈が出てくる。二人は跡をつける。麻布の駅まで来て、行成のことを思いながら、立ち尽くす静奈。その姿を、見つめる功一と泰輔。すると、静奈は肩をつかまれる。振り向くと高山がいた。実は、南田志穂が偽名だ、ということは高山にはバレていたのだ。そして、何でここにいるんだ、カナダに行ったんじゃないのか?どういうつもりなんだ?と聞かれる。静奈は、行成のことで頭が一杯で、高山を騙した時の静奈ではなく、ついうっかり、「ごめんなさい。実は、留学は取り消しに…。」と答えてしまう。その様子を見て、功一も泰輔もどうしていいかわからず、戸惑うが、意を決して功一が近付こうとすると、「手を放しなさい。」と行成が現れ、慌てて立ち止まる功一。行成の気転のきく芝居で、静奈が高山の彼女だというなら、借金の肩代わりをしてくれるつもりなのか、それなら2000万払ってほしい、言うと、高山はスゴスゴと立ち去る。静奈は、高山のことをストーカーでずっと付きまとわれていた、と行成に話す。一部始終を、見ている功一と泰輔。
行成は、平静を装っていたが、「会えてよかった。しつこく電話して失礼しました。大事な話があってどうしてもお会いしたかった。実は、あなたに見せたいものがあるんです。」と言い、静奈に差し出したのは、静奈が戸上の家の書庫に隠したレシピノートだった。
顔が強張る、静奈、功一、泰輔。「正直に答えて下さい。あなたは、一体何者なんですか?」と真剣なまなざしで問う行成。黙りこくる静奈。目の前で大変なことが起こっているのに、どうすることもできない功一と泰輔。