ミミ言

思っていることをつぶやいていきます

流星の絆 第7話

時効まであと3週間。3人は港にやって来る。功一は静奈に母親の形見の口紅を持ってきたか確認する。すると背後から猛スピードで蛇行運転する車が走ってきて、中からサギがフラフラしながら降りてくる。静奈はびっくりして車に触れようとすると「触るな触るな、これ盗難車だから。」と功一が止める。サギが直接盗んだわけじゃなく、闇ルートから入手してきたらしい。そして、功一はその車でこれから横浜と横須賀に行くと言う。横浜の桜木町の古本屋。泰輔の合図で、古本屋の2階からロープでつたい降りてくる功一。そのまま横須賀へ向かう。功一達が横浜・横須賀に行っている間、埠頭でサギは静奈に、あんなにかっこいいお兄ちゃんがいて、いつも守ってもらっている静奈が羨ましい、と言う。しかし、静奈は本当の兄じゃない、と言うと、サギはこれからは静奈を徹底的にマークする、アクセル(功一)だけは渡さない!と宣言する。そこへ功一達が戻ってきて、功一はサギに1000円渡す。報酬をもらったサギは喜び、また海の中へ消えていく。
静奈が「どう、うまくいった?」と聞くと、「うまくいってもらわなきゃ困るよ。お前らの大事な形見なんだから。」と功一。泰輔は「ちゃんと見つけてくれるかな…。」と言うと、「警察次第だ。」と答える功一。

横須賀。埠頭に功一達が乗り捨てた盗難車を警察が調べている。異動になった萩村は、こんなのは県警が出る仕事じゃない、と不機嫌な顔をしている。そこへ、柏原が現れる。所轄に顔を出してくれという柏原。盗難車の中から発見された遺留品を見せる。写真集と古びたキャラメルの缶が机の上に置かれている。缶を開けると、時計と蓋がない口紅が入っている。時計の裏にある 贈 アリアケ開店7周年の刻印を見て驚く萩村。柏原によると、アリアケの開店は86年、店には開店7周年の写真もあり、時計は13年前に製造中止となっている。時計と口紅はあの事件の夜、アリアケから盗まれて、ずっとどこかに保管されていて、それを盗難車泥棒が盗んだんだろう、と推理する柏原。柏原は自分は時計について調べるから、萩村に開封されていないので写真集も盗品に違いない、と写真集を調べるように指示する。

茶店に功一を呼び出す柏原。功一は、時計を見せられるが、触ってみてもいいか?ときき、見覚えがないとしらばっくれ、この時計がどこから出てきたのか聞く。盗難車から発見された、と言う柏原だが、いまいちの反応の功一に、泰輔もここに呼んでいる、と言うと驚く素振を見せる功一。泰輔に会っているのか柏原に聞くと、泰輔とは、週2でキャバクラに行ったりして遊ぶ中でマブダチだ、と。功一が帰ろうとするところへ、泰輔が入ってくる。二人とも驚き、何ヶ月も会ってない、仲が悪そうな態度の芝居をする。時計を見ると、即「あーっ、親父の時計!」と叫ぶ泰輔。「はぇーよ…。」とボソッと言う功一に「えっ?」と聞き返す柏原。慌てて「えっ?あっ?でも、似てるけど違うわ。えっ、違うの?ちょっ…わかんねぇんだけど…。」と泰輔が言うと、「こいつ、昔から適当だから。知らないくせに、知ってるとか言っちゃうんですよね。」と功一。柏原は親父さんがこれと同じ時計をしてたんだな、と泰輔に聞く。泰輔は「確か、何周年記念とかで友達から貰って…。」「そうだっけ?」と功一。「言ってないの?…」という泰輔の足を机の下で蹴る功一。柏原は、すかざず「友達って、どういう?」泰輔は「確か…中学の同級生だったような…。」と答える横で「でも、仕事中ははずしてなかったか?俺、それ覚えてないもん。」と功一が言うと、柏原は功一は可愛げがない、泰輔はちゃんと覚えている、なにより素直、そして、中学の同級生をあたってみるわ、と席を立つ。功一は、立ち去ろうとする柏原に、見つかったのは時計だけだったのか?と聞く。柏原のうん?という反応に、功一は「いや…普通の人にしてみたら、そんな時計は何の価値もないし…何かのついでに盗んだのかなぁ…って。」と言うと「お前には教えなーい。」と柏原に言われてしまう。

柏原と別れた後、功一は泰輔が柏原と度々会っていることも含め、目的を忘れるな、スキがありすぎる、と注意する。時計を見て、いきなり父親のものだと認めてしまったことにも、苛立ちを隠せない。泰輔は、親父が大切にしていた時計だとはっきり言ったほうがいいと思った、と言い訳をするが、功一は、そんなに大事にしていた時計が14年前に盗まれたなら、子供でも気付くはずだろう、時計は警察を操るための偽装にすぎないんだ、と。泰輔は、ひとまず警察が動いてくれたのでよかった、と言うが、慎重な功一は、警察が戸上政行にたどり着くまで油断はできない、そのためには忍び込んだ古本屋が、昔、戸上亭だったことに気付いてくれないと…と答える。
静奈はまた戸上行成と会っている。ワインをグラスに注ごうとするボーイに、行成は今日は静奈を家まで送るので車で来ているから、と断る。
功一は、静奈の帰りが何故遅いのか、泰輔に聞く。泰輔は、戸上と会ってるんじゃないのかと答えると、静奈が何故用もないのに戸上に会っているのか?と泰輔を責める。家まで送ってもらった静奈は部屋に入ると、泰輔からどこに行ってたのか聞かれ、友達と会っていたとウソをつく。しかし、静奈のイヤリングを見て、功一は「用もないのに戸上行成に会うなよ!警察が戸上に目をつけたら、お前も危ないんだって。」と怒鳴る。静奈は「どうして?まだ会ってもいいでしょ。」と言い返す。

ジョージの店でカレーを食べながら、静奈のことをのろける行成。いい気分がしない功一。
泰輔は、オタクの客に扮して、忍び込んだ古本屋がまだ被害届を出してないことを確認すると、功一の指示通り、店員にダメだしをする。
柏原は、萩村に捜査状況を聞く。柏原のほうは、時計は同級生が贈ったものだ、とわかり、指紋もついているのでそれはこれから調べる、と言う。萩村は、写真集の調べが進まない、と言っている矢先、桜木町の古本屋から被害届が出たので直行するように上司から言われる。
柏原と萩村が、古本屋に向かうと、店員は空き巣に入られたことは気付いてたが、盗難にあったのは別に何でもない写真集1冊だけだったので、被害届を出さなかった。しかし、今日変な客がやって来て、その写真集のことを聞き、ない、と答えるとプレミア物で40万はする、と言うので、慌てて通報した、と説明。店員に2階へ案内される柏原達だが、店の2階は倉庫として使っているが、昔は1階が食堂で2階はその家族の住まいになっていた、と店員から聞かされる。萩村は、押入れの前に箱を動かした形跡があるのに気付く。そして、押入れを開けると、天井の板がずれており、そこから口紅の蓋が落ちてきた。更に、萩村は、古本屋は12年前まで戸上亭という洋食屋だった、ハヤシライスで繁盛したから引越しをしたことまで調べてくる。
功一の店を訪れる柏原達。戸上亭という同業者について何か父親が言っていなかったか聞
く。功一は、のらりくらりとしらばっくれる。そんな功一の態度に柏原は鋭く質問をする。
覚えてない、と言っていた功一だが、ジョージが横から、戸上亭という店の名前をどこかで聞いたことがある…と言い出し、慌てて功一は、そういえば、出先で洋食屋の出前を取ったら、ひどくまずくて文句を言ってやった…そんなことがあった、と話す。柏原は、父親は店が忙しくて出かけられなかったはずだが、出先ってどこだ?と功一を睨みつけて聞く。功一はそこまでは覚えてない、と答える。しかし、店を出て、柏原は幸博が博打にはまっていて、桜木町の喫茶ニューフロンテに出入りしていた、出先がそこなら、戸上亭が出前をやってたかどうか調べるぞ、と萩村に言う。

功一は、ニューフロンテには自分達のことは内緒にしておいてくれ、と連絡をしておいた、と泰輔に言う。泰輔は、そんなに警察にヒントを与えて大丈夫なのか?と心配はするが、これで警察も思い通りに動いているから面白い、と言う。しかし、功一は、証拠を仕込んでも戸上政行にとっては、身に覚えのないものばかりだから、罪を認めるわけがないし、警察も逮捕はできない、今度必要なのは動機だ、戸上亭がアリアケの味をパクッたことは間違いない、それを裏付ける証拠が戸上の家から出てきたら?…と言う。そして、功一は、静奈にアリアケのハヤシライスのレシピが書かれたノートを戸上の家に置いてこさせるつもりだ、と泰輔に告げる。

静奈は、行成とまた会う。そしてドライブに出かける。行成は、静奈の友達の家がやっていたという洋食屋に連れて行って欲しい、と言う。ハヤシライスを食べた日から、笑顔が消えたので、その思い出の洋食屋に行ったら少しは元気になるかと思って、という行成。静奈の脳裏には「しっかりしろって、しぃ。あいつは俺らの仇の息子なんだぞ。」という功一の声が響く。アリアケがあった場所は、今はカフェになっていて、そのカフェも閉店していた。しかし、店のドアには鍵がかかっておらず、行成は勝手に店に忍び込む。静奈は、子供の頃の記憶がフラッシュバックする。行成は、火をさがしキャンドルに灯をともす。そして、柱の向こうの席に座る二人。行成は子供の頃、天体観測が好きだった、と言うと、静奈は友達も星を観るのが好きだった、と言い、獅子座流星群を観に行った場所まで行成を案内する。芝生の上に寝転んで、星を観る二人。星がスーッと流れいく。静奈は、子供の頃、全然流れ星を観れなかったことを思い出し涙ぐむ。驚く行成に、突然自分からキスをする静奈。
功一もたたずんで空を観ている。
泰輔は、寝たふりをしている。12時を過ぎて、静奈が戻ってくると、さっきまで功一がいて、大事な話があるって言っていた、と言うが、静奈はそっけない。警察が動き出した、と泰輔が言っても、ひとごとのような返事をし、もう行成とは会わない、また留学すればいいんでしょ、引越しもしなきゃね、この家知られてるし、あぁ面倒臭い…と逆キレをする。そんな気分が不安定な静奈に、追い討ちをかけるように、泰輔は、帰りが遅くて心配するのも、苛々してるのが気になるのも兄としてじゃない、と告げてしまう。

政行はハヤシライスを作る。行成はいないので、夫婦で食べよう、と言うところへ、電話が鳴る。
功一は、静奈にレシピのノートを戸上の家の、しかも警察が見つけそうなところに置いてくるように、と指示する。静奈は「それで、私の役目は終わりってことね…。」と言う。功一は、ここはヤマ場なんだ、戸上が逮捕されたら、時計から指紋が検出されて、自宅からレシピノートが発見される、そこで泰輔が、裏口から出てきたのはこの男だ、間違いない、と言うんだ、と作戦を語るが、泰輔も「オレの出番最後か…。」と呟く。功一は作戦を成功させるために躍起になっているが、静奈も泰輔も、いまひとつ気持ちが定まらず、3人の気持ちはバラバラだ。

先程電話しました、と柏原と萩村が戸上政行の家を訪れる。政行をじっと睨む柏原。政行は2人を家へ入れる。

静奈は、行成に留学をする、と告げる。しかし、行成が引き止めないことを詰ると、行成は静奈に留学前に自分の両親に会って欲しい、と言う。
功一は、「しぃ、うまくやってくれてるのかなぁ?」と呟く。
浮かない顔の泰輔に「何だよお前、俺の作戦、そんなに気に入らなかったのかよ。」と言うと、泰輔は「兄貴…あいつ本気だよ。芝居じゃない。あいつ、戸上が好きなんだ。本気で俺達の仇の息子に惚れてるよ。」
「知ってるよ。そんなの随分前から気付いてたよ。」
「いいのかよ…兄貴。」
「いいわけねぇだろうっ!」とすごい剣幕で怒鳴る功一。泰輔は泣きそうな顔をする。