ミミ言

思っていることをつぶやいていきます

流星の絆 第6話

矢崎と会う柏原。矢崎は妻に、自分が塔子を殺したんじゃないか?と疑われており、自首して欲しい、と言われている、と話す。そして、事件の新聞記事を切り抜いたスクラップブックを見せる。14年もの間、塔子との関係を知っていたにも関わらず、顔色ひとつ変えない、という矢崎の妻。塔子から矢崎は脅されていた、という妄想まで抱いているという。矢崎の妻は、欲しかったのに子供を授かることができなかった。だから矢崎は、塔子との間に静奈が生まれたことを、たとえ妻が知っていても自ら告げることはしない、と。
確かに、1993年11月18日、事件当日、塔子から金の無心をされたのは事実だという矢崎。
そして、お金を渡したのも事実だが、それはけじめのつもりだったんだ、と。矢崎は、塔子が洋食屋で働いている、としか聞いておらず、塔子に毎月お金を送っていた。本当は家庭を捨てて塔子と一緒になろうと思ったが、アリアケの店まで行き、塔子が結婚している、と知ったのだ、と柏原に話すが、動機がありすぎて妻に疑われても仕方がない、と言われてしまう。
一方、矢崎の妻はジョージクルーニーを訪れ、夫が犯人だ、静奈に会って謝りたい、と言う。しかし、功一は、静奈には会っていないし、静奈は矢崎の娘だということは知らない、と答える。

時効まで、あと1ヶ月。泰輔は、横浜の桜木町にある、ノミ行為で摘発された、喫茶店ニューフロンテを訪れる。オーナーに、戸上政行が店に来てなかったかと聞くが、知らない、幸博は常連だったが、あまり行儀がいい客じゃなかった、と面倒臭そうに言われる。

功一と泰輔は、幸博と戸上政行の接点がなかなか見つからないことと、矢崎の妻の出現で、静奈に本当のことを話さなければいけないことで、苛立ちを隠せない。

静奈は、行成と会って食事をしている。行成は父親から突然ハヤシライスの復刻をするな、と言われた、静奈に愚痴をこぼす。静奈がハヤシライスを食べて泣いた理由を話したら、急に深刻になり、ハヤシライスを中止するように言われたのだ。しかし、静奈から励まされ、突然、静奈を連れてレストランを飛び出し、ジョージクルーニーにやって来る。そして、ジョージクルーニーの厨房でハヤシライスを作り始める行成。功一と静奈は互いを見て初対面を装う。泰輔はその話を功一から聞き、激高する。戸上政行は何故ハヤシライスの味を変えるように言ったのか?それは静奈がハヤシライスを食べて泣いたからで、それは自らの罪を認めたも同然だから、詐欺でパクられてもいい、警察に話そう、と功一に言う。しかし、功一は、今ある情報だけじゃ警察は動かない、そして実行犯は静奈だから、何があっても静奈を守られなければならない。タレ込みじゃなく、決定的な証拠を警察に掴ませるように仕向ける必要がある、と泰輔に話す。

行成は、数種類のハヤシライスを作り、功一と静奈に味見をさせる。一番おいしいものを静奈が選び、行成もそれが一番自信があるが、静奈が泣かないので静奈が泣くようなハヤシライスを作らなければ納得がいかない、と言う。ウソ泣きをして、やっと行成と別れてきた、と静奈が戻ってくる。功一と泰輔は、静奈に本当の話を打ち明けようとするが、なかなか言いだせない。静奈は、功一の部屋で寝てしまい、店で朝になるまで泰輔とどう話そうか迷っている功一。
泰輔は静奈に本当のことを話しても、何も変わらないと言うが、功一は静奈が変わる、と言う。泰輔は、ムキになって功一が心配しているのは、本当の兄弟じゃない、と話したら自分が静奈に手を出すんじゃないか?って心配しているんだ、それは功一も静奈のことを好きな証拠だ、と言うと、功一は泰輔に掴みかかる。「お前覚えてるよな、親殺されてんの。3人で星なんか観に行ってる間にさ、両親殺されてんだよ!(矢崎なんて)親父じゃねぇよ。責任取れねぇくせに子供生ませてさ、カミサン怖くて何もできない奴が、そんな奴が親父だって言えるかよ!」と泰輔に怒鳴っていると、泰輔が静奈が背後に立っているのに気付く。静奈は、功一にちゃんと説明して欲しい、と言う。
功一は、静奈は塔子の連れ子で、功一と泰輔は幸博の連れ子で本当の兄弟じゃない、でも、戸籍の上ではお前は俺の妹だ、と話す。静奈は、何でもっと早く言ってくれなかったのか?と泣きながら怒る。淡々と話す功一に「また、かわいそうな顔してる。」と静奈が言うと「してるよ。」と功一。走り去る静奈の後を追う泰輔は、功一に向かって「最悪だよ。」と捨て台詞を吐く。「あぁ…最悪だよ…。」と功一。
店に戻ると、サギが店の中で歌っている。「聞いてたのか?さっきの話…。」と聞く功一。サギは「アタシ、歌ってたから。アンタとアタシじゃ悲しみのキーが違いすぎる。1オクターブ違うよ。」と言って立ち去る。

矢崎の家を訪れる、柏原と萩村。改めて事件当日の状況を聞く萩村。ビニール傘のことを聞くと、矢崎はビニール傘なんて、貧乏くさいものは女に会いに行く時に使わない、と。矢崎に外まで見送らせ、泰輔に矢崎の顔を確認させる。泰輔は、正直わからない、と言う。車の中で矢崎について話していると、矢崎の妻が出てくる。泰輔は、あの女は誰か?と柏原達に聞く。
矢崎の妻は、功一の店を訪れ、静奈への金を渡そうとするが断る。店を出たところへ、宝石商扮する泰輔が登場。今回は、功一の指示ではなく、矢崎の妻のせいで、3人兄弟の関係がこじれたので、ニセモノの宝石を買わせようと、勝手に泰輔が動いたのだ。しかし、矢崎の妻にはバレており、静奈に、と現金を渡される。

ハヤシライスが完成したので、と行成と会う静奈。行成は静奈に、ハヤシライスの友達のことを聞きたい、と言われる。父親のオリジナルの味だと思ってたので、父親も自分も静奈が子供の頃食べたハヤシライスに興味があり、店の名前と場所を教えて欲しい、と。静奈は、自分のことを友達の話にして行成に話す。
「今は…もうないんですよ。場所は横須賀です。お店の名前は、思い出せないんです。ただ、その友達の名前なら覚えています。矢崎さんです…矢崎静奈ちゃん。お兄さんが二人いて、すごく仲良くて羨ましかった。とても優しいお兄さんで、静奈ちゃん、いっつもくっついて遊んでた。ところが、ご両親が事故で亡くなったんです。それでお店たたんじゃって、施設に預けられて…。しかも…静奈ちゃんは、二人のお兄さんと本当の兄弟じゃなかったんです。お母さんの連れ子だったんです。その事実をずっと聞かされてなくて、彼女、随分ショックを受けて。だけど、何となく覚えてたんです。そのお店に初めて連れてこられた夜のこと。なんだか恥ずかしかったけど、嬉しかったのを何となく覚えてる…お兄ちゃんの手が温かかったのもなんとなく覚えてる…って。だから私にとって二人はお兄ちゃんなんだって、本当のお兄ちゃんよりもずっとお兄ちゃんなんだって…静奈ちゃん…そう話してくれました。」と涙ぐむ静奈。
そんな静奈の話を親身に聞く行成。

泰輔は、矢崎の妻に受け取った現金を返す。渡すなら、自分の手から渡して欲しい、と。

その後、ためらいながらも功一のところ行くと、屋上で功一と静奈は寝転んで星を見ていた。一瞬、驚く泰輔だったが、一緒に寝転ぶ。功一は「こいつさ、俺らが思ってたよりずっと大人だったよ。俺のほうがぎくしゃくしちゃって…。」と泰輔に話す功一。「当たり前じゃん。21だよ。」と言う静奈。「あーあ、もう…観れねぇのかな。流れ星。」と言う泰輔に「観れるよ。いつか…観れるよ。」と答える静奈。

行成は、母親に開店当時の父親のことを聞く。政行の苦労話をする貴美子。政行は自転車にも乗れないのに出前までしていた、と言う。あんなプライドの高い人が?と驚く行成。そして、出前に行ったっきり帰ってこなかったことがあった、と話す。チンピラみたいなのに、自慢のハヤシライスがまずいと言われ、帰ってこなくて捜しに行ったら、屋台で泥酔していた、でもその翌日から、人が変わったように毎晩寝ないで厨房に立ち、その年の暮れに元祖ハヤシライスが誕生したんだ、と。

ニューフロンテのオーナーに呼び出され、功一と泰輔は戸上政行と幸博の接点を掴む。ニューフロンテは喫茶店だったが、コーヒーと紅茶と心太しかなく、出前は取り放題だった。出前のメニューの中には、とがみ亭のメニューもあった。ある日、幸博はとがみ亭のハヤシライスを出前で注文したが、競馬に負けたのもあって、食べかけのハヤシライスの皿をひっくり返してしまったことがあった、と。そこへ、政行が皿をさげに来て、床に散らばったハヤシライスを片付けていると、幸博に8年も店をやっているのに、こんなまずいハヤシライスしか作れないならやめたほうがいい、犬の餌にもならない、と言われ、言い争いになった、とオーナーから聞かされる。
功一は、ひとつの推論を立てる。その争いをきっかけに、政行と幸博は顔なじみになり、幸博は政行にレシピを金で売った。でも、戸上も金に困っていて、あの晩、レシピを聞きにきたが、金が払えず、幸博は殺された…。功一は、泰輔に幸博の形見の腕時計を持ってくるように言う。

ハヤシライスの試食をし、OKサインを出し、店を出る政行。駐車場に停めてある車に乗り込もうとした時、落ちている腕時計を拾う。しかし、その時計をまた地面に置き、車に乗り込む。一部始終を見ていた功一は、手袋をはめてその時計を拾い上げ、袋に入れる。腕時計は幸博の時計で、その時計に政行の指紋をつけさせるためだったのだ。