ミミ言

思っていることをつぶやいていきます

流星の絆 第5話

ハヤシライスを食べて、泣き出す静奈。そこへ行成の父 政行が近づいてきて、静奈に挨拶をする。功一と泰輔は部屋で似顔絵を見ながら、とがみ亭の前で見た男について話しているところへ、静奈が帰ってくる。元気のない静奈。心配する功一と泰輔。静奈は、今夜食べたハヤシライスが父親の作ったハヤシライスと全く同じ味だった、だから、懐かしくて気が付いたら涙が止まらなくなった、と話す。泰輔は、この間、功一がハヤシライスを作った時に、何故泣かなかったのか聞く。功一は、レシピは同じでも材料とか、ところどころ適当だったので、全く同じではなかった、と言う。静奈も、今夜食べたハヤシライスのほうが父親のハヤシライスそのものだった、と。泰輔は、そんなのは偶然だ、と言うが、功一は「偶然なんてない。父ちゃんのハヤシライスは誰にも作れない。」と断言する。混乱する泰輔に功一は「どっちかがどっちかの真似をしたってことだ、どっちが先かわからないけど。」と言う。静奈は、ハヤシライスを食べて泣いていたら、途中から行成の父親が入ってきて…と話を続け、功一と泰輔は、犯人だと思われる男が行成の父親だと知る。動揺する3人は、今、起きている状況を整理し始める。静奈が食べたハヤシライスはアリアケのハヤシライスと全く同じもの、そしてあの晩、裏口から出て行った男が、とがみ亭の社長の政行だった…。泰輔は、政行が犯人だよ!と言うと、功一は「まだそうと決まったわけじゃない。確かにそうだとしたらとんでもないことだよ。でも、証拠がない。今までだってそうだったろ。怪しい奴は何人もいた。その度に俺達は一喜一憂した。今度こそ犯人が捕まる、期待しちゃ裏切られて14年だよ。もう、いい加減うんざりなんだ。」と。静奈も功一の意見と同じだ。そして、確かめるしかない、と言い、功一は「俺に任せろ。」と言う。

横浜・関内。功一は、とがみ亭のハヤシライスを食べに行く。しかし、味が違っている。店の者に聞くと、社長が厨房に立っていた頃は、オーソドックスなハヤシライス、元祖ハヤシライスだったが、今はもうどこの店にも出していない、と言う。

泰輔のバイト先では、泰輔と静奈が行成について話している。そこへ、柏原がやって来る。慌てて隠れる静奈。柏原は、ジョージクルーニーに寄ったら、功一がハヤシライスを作っていたので、ハヤシライスを注文したが相手にされず、店長のジョージが作る林ライスが出てきた、と泰輔に文句を言う。泰輔は、柏原にそれとなく似顔絵の男について探りを入れる。似ていると思う男でもいたのか?と聞く柏原。はぐらかす泰輔。そして、選んだDVDを差し出す柏原。ちゃかす泰輔に、一人暮らしだから賑やかなものが見たい、と言う。

高山から呼び出された静奈は、喫茶店でひどく嫌味を言われてなじられる。嫌味を言われながら、静奈はテーブルの下で、携帯のメールを打つ。あと10分ほどで着きます 志穂、と。すると高山の携帯が鳴り、メールを見た高山は静奈に帰っていい、と言う。そこへ、行員に扮する泰輔がやって来る。静奈は退席し、着がえて南田志穂として喫茶店にやって来る。志穂は、カナダに留学するので共同で購入したドル建て債券を解約したい、と言うが、解約は全額でしかできないし、今、解約をすると損をする、と説明する泰輔。そして、高山と二人で購入したのに、自分の都合で解約とは身勝手すぎる、と説教を始める泰輔に、高山は制止し、解約はしない、損をしたくないからではなく、ここで解約をしたら、志穂との関係は終わってしまうから、と言う。そして、旅費はいくら必要なのか聞く。志穂は50万必要だと答えるとそのお金を出す、という高山。そして、南田志穂は、カナダに旅立つ…。

ジョージクルーニーで、功一は2種類のハヤシライスを泰輔と静奈に食べさせ、どっちがアリアケのハヤシライスに近いか?と聞く。泰輔は味覚オンチなのでわからないが、静奈は、アリアケのハヤシライスの味に近い方を当て、納得する功一。3人は功一の部屋に集合し、功一はハヤシライスのレシピの書かれたノートを泰輔達に見せる。ノートの隅に、無闇という文字と数字が書かれているのを発見し、その数字は、電話番号だとわかり、その番号へ電話をすると名古屋の老舗の醤油屋だったとわかった、と言う。幸博はハヤシライスの隠し味に無闇という醤油を使っていたのだ。その醤油にこだわっており、開店以来ずっと懇意にしていたと言う。そして、功一はその醤油屋で驚愕の事実を聞かされる。つい最近、とがみ亭の2代目から先代の味を復活したいとかで、その醤油の注文が入ったというのだ。功一は、もともと付き合いがあったのか?と聞くと、お宅(アリアケ)ほどではないけれど、1993年の12月からとがみ亭の先代の社長とも付き合いがあった、と聞かされる。功一は「14年前…事件の一ヵ月後だ。嘘や偶然なんかじゃない。とがみ亭はアリアケの味をパクった、14年前に。それで大成功した。そう、しぃの舌にも、泰輔の目にも狂いはなかった。あの夜、裏口から出てきたのは間違いなく戸上政行だ。」と言う。泰輔は、これからどうする?ぶっ殺すのか?と聞くが、功一は、まだその段階じゃない、たとえアリアケの味を盗まれたとしても、ノートが功一達の手元に残っている、証拠が足りない、と言う。そして「作戦を大幅に変更する。ターゲットは戸上行成ではなく、父親の政行だ。狙うのは1000万円じゃない。有明夫妻殺害事件の犯人だっていう証拠だ。言うまでもないけど…。今までの最大のターゲットだ。何しろ、俺達が14年間捜し続けてきた仇だからな。」と言う。泰輔も静奈も功一を見る。そこへ、店のドアを激しく叩く音がする。功一がシャッターを開けると、行成が微笑んで立っていた。

行成は、カウンターに座り、静奈が扮する高峰 佐緒里のことをグダグダ話し始める。ハヤシライスを食べ、泣き出したのはハヤシライスが嫌いだったからだ、きっとデミグラスアレルギーだったんだ、と言う。功一は行成の話を聞いている振りをして、静奈に、携帯からこっそり行成に今すぐメールを送るように打つ。行成の話は続き、泣いている佐緒里に何もしてあげられず、下心があるのに手を握ってあげるのが精一杯だった、と言われると、功一は動揺してグラスを落とし割ってしまう。すると、行成の携帯が鳴り、近々会いたい、と佐緒里からメールが入る。舞い上がる行成の横で、イライラして冷めた功一は、割れたグラスを片付けている。

行成は、佐緒里を建設中の麻布店へ連れてくる。そして、佐緒里なら、どの辺りの席に座るかを聞く。静奈は、子供の頃を思い出す。母の日に、アリアケの店でカーネーションを渡す静奈達。その席は、店に入った正面の柱の向こうの席で、皆で塔子のために作った料理を差し出し、ワイワイしていた時のことを思い浮かべ、建設中のテーブルも何もないとがみ亭の麻布店の空間で、柱のある場所を見つけ「あそこかな…。」と答える。行成は、柱はプライバシーを保てれる、自分もここに座る、佐緒里と同じ意見だと興奮して話し出す。また、涙ぐむ静奈。そして、この間泣いた理由は、ハヤシライスの味が、洋食屋を営んでいた仲のよかった友達の店のハヤシライスの味に似ていた、でも事情があってその店はなくなり、友達も遠くへ引っ越してしまった、そのことを思い出して泣いてしまったんだ、と行成に話す。行成は感動し、その店はどんな店だったのか?と聞く。温かい店だった、子供の頃、家族でその店に行った時、柱の向こうの席でカップルが食事をしていて、柱の影に座っていた男性が、女性に小さな箱を渡すと女性の顔が輝いた、子供の頃だったからわからなかったけど、それは指輪だった、と。もし、柱がなければ男性は恥ずかしかったはず…と言う静奈の話に更に感動を覚える行成。

泰輔のバイト先に突然柏原がやって来る。慌てて隠れようとするジョージに、柏原は「いいよ、隠れなくて。」と言い、DVDをカウンターに置く。気まずい顔で泰輔は「あの…うち、レンタルじゃないですけど…。セル専門です。だから返さなくていいです。」と言う。レンタルにしては高いと思った、という柏原に、もっと賑やかなとこ行く?とキャバクラに誘うジョージ。

ジョージクルーニーに萩村がやって来て、辞令が出た、と言う。しかし、功一達の事件は異動になっても捜査を続けるから、と言い、柏原のプライベートについて話し出す。柏原は、妻も亡くし、つい最近、病気だった子供も亡くしてしまった。その子供は功一達と同じくらいの年齢で、息子が亡くなり現場復帰した日に、功一のもとを訪れたのだ、と。刑事と遺族という関係じゃなく、息子と功一達を重ね合わせていて、本当は管理職になっている立場なのに、事件の犯人を捕まえるために現場に出ているんだ、と功一に打ち明ける。

キャバクラで騒いだ帰り、柏原は泰輔に静奈の本当の父親 矢崎のことを聞く。柏原は、来週その矢崎に会うことになっていて、当時は容疑者の一人だったが、アリバイが成立しており、今頃になって連絡してきたのはおかしいと思う、と言う。顔が曇る泰輔。柏原は、引退がかかっているから、ちゃんと仕事はしているんだ、と言うが、酔ったフリをして泰輔に鎌をかけている様子。そして、今夜のことを功一に話すか?と聞く。泰輔は、兄貴とは仲が悪いし、滅多に話さないから、と答えるが、柏原は「楽しいことってさ、喋りたくなるよな誰かに、普通…。」と言う。泰輔は、戸惑いながら「じゃあ、今度兄貴も誘ってみます…。来るかどうかわかんないけど。」と答える。

自宅に戻る行成。政行と母親の貴美子がトランプをしている。政行は行成に、部外者に麻布店を見せたらしいね、と言う。静奈と数回会っていることも知っていて、行成が静奈に気があることにも感付いている様子。この間、店で泣いていたが、あのくらいの年頃の女は意味もなく泣くんだ、と言うと、行成は、彼女が泣いた理由は、子供の頃に行っていた洋食屋のハヤシライスの味と、とがみ亭のハヤシライスの味が似てたから泣いたんだ、もうその店はなくなったらしいが…と答える。動揺する政行。どこのなんていう店なのか、また何年前に潰れたのか?としつこく聞くが、行成は知らない、と言う。貴美子は、行成に好きな女性がいるのが気に入らないのか、その女は行成の気をひくために嘘をついているに違いない、政行があの味を作り出すのにどれだけ苦労したか、と行成に話し始めると、政行は「その話はいい!」と怒鳴る。

柏原と別れた泰輔が帰ると、功一と静奈が待っていた。泰輔は静奈に、戸上と会ってどうだったか?と聞くが、静奈は戸上はいい奴だから会いたくない、と言う。功一はしっかりしろ、と言うが、泰輔も警察の力を借りたほうがいいんじゃないか、柏原だったらちゃんと動いてくれそうだ…と言う。すると、実は功一も同じことを考えていた、自分達の手では限界がある、頼るなら柏原しかいないと思う、と2人に告げる。しかし、まともに情報を流したら、戸上を騙そうとしてる詐欺師だから、すぐにバレる、自分達が危ない。とがみ亭がアリアケの味を盗んだのは間違いない、でもそれ以上に幸博と政行の接点が知りたいんだ、それを聞きだせるのは静奈しかいない、仇を取ってやろうよ、と言う功一の説得に、気乗りはしないが承諾する静奈。
行成から食事の誘いを受ける静奈。鏡に映る自分を見つめる。「しっかりしろよ、しぃ。あいつは俺達の仇の息子だぞ。同情してどうするんだよ。」という功一の声が脳裏に響く。「わかってる…。そんなのわかっている…。」と自分に言い聞かせる静奈。

ジョージクルーニー。功一の前に一人の女が現れる。静奈の本当の父親、矢崎の妻だと言う。そして「あなたの両親を殺したのは、うちの夫です…。」と告げる。

行成は、ハヤシライスのプランを変更しろ、本店の味を復刻することは許さない。オリジナルのハヤシライスを作るように突然政行から言われる。呆然とする行成。