ミミ言

思っていることをつぶやいていきます

『歌のおにいさん』 第3話

イメージ 1公園の滑り台の上で、かったるそうにタバコをふかす健太。
俺は矢野健太。仲間に去られ、彼女にフラれ、就職先に内定を取り消された挙げ句、たどりついたところが、あろうことか子供番組…そんな不甲斐ない俺が最近やたらと熱い視線を感じる気がする…。
滑り台の下から、健太を見上げる子供達。街中を歩いていても、健太をじっと見つめる子供達。堤防を歩いていて、後ろを振り返ると、後をつけてきてる子供達。
何故だ…何故俺を見る…。
鯛焼きを買おうものなら、大量の鯛焼きを差し出され、こんなに食えねぇよ、と言うと店主から、「あるよ、人数分。」と言われ、振り返ると健太に向って手を振る子供達。
何故なんだ…訳がわからない…。ぐったりして、公園で子供達と鯛焼きをほおばる健太。

楽屋で着替えていると、健太がおもちゃのチャチャチャを歌ってるビデオを観ながら、様になってるよ、とスタッフから声をかけられる健太。その様子を、ムカムカしながら見つめる氷室。
瞬間最高視聴率が、健太の歌った場面だと知り、対抗心を燃やす氷室だったが、スタジオを訪れた専務から、歌のおにいさんを健太に交代するように命じられる。
氷室を崇拝する美月は、氷室をかばおうとするが、真鍋から、歌のおねえさんと愉快な仲間達でいいじゃない、と提案され、すんなりと受け入れるのだった。

氷室同様の振る舞いをする美月。番組の収録も、氷室の立ち位置が美月になっただけで、健太もやる気は全くなく、今までと何ら変わらない。

斉藤は日の目を見て、やる気満々でテンションが高い。相変わらず自分と真逆の健太を見て、「矢野君てさ、ホント欲がないよね。枯れちゃったおじいちゃんみたい…。歌のおじいさん♪」と言う始末。

健太が家に帰ると、健太のビデオを観ながら、笑ってるさくらと小山。そして、帰るや否や健太に「今日、お給料日でしょ。」と言うさくら。小山に羽交い締めにされながら、健太は貰っていないと言うが、「嘘、顔がニヤついてる。あんた、やましいことがあるとすぐ顔がニヤけるのよね。おねしょした時とか、テストで0点取った時とか、ニヤニヤしながらごまかすわ、嘘をついてるって状況に耐えられないのよね。」と言い、健太のズボンの後ろから給料袋を引き抜く。「あった、ビンゴ!大事なものは、パンツの後ろに隠す!小さい時から変わらないねぇーっ。」と、給料袋から出したお金をテーブルの上に並べる。6万円しかない健太の給料から、安いわね、と言いながら食費代3万円を持っていく、さくら。そして、小山が、お金貸してたよね、と2万円持っていき、健太の手元に残ったのはたったの1万円。
部屋のベランダから、1万円を見つめながら「1万円でどう過ごせっていうんだ…。」と呟いていると、頭を深々と下げて、客を見送っている父親の光雄を見つける。光雄もベランダの健太に気づく。

番組収録中。健太が笑わないことに、美月はイライラしている。健太に笑うように言うが、健太は顔がひきつって笑えない。

健太は疲れ切った顔で歩いていると、風で飛ばされたチラシが顔に当たる。元バンドのライブイベント告知のチラシだった。

真鍋が健太の歌っているビデオをデスクで観ていると、健太の歌声を聴きながら「いい声だねぇ。」と言って安斎が近付いてくる。そして、売り込みと言い、GiselleのCDを渡す。真鍋はCDを受け取るが、安斎から健太がGiselleの元ボーカルで、辞めさせたのは自分だと教えられる。

健太が家に帰ると、さくらは、今夜はスペシャルカレーだから一緒に食べようと明るく振る舞う。健太はいらない、と言い、部屋に上がっていこうとするが、新聞を逆さに見ている光雄の姿を見る。逆さだよ、と声をかけるが、ボーっと考え事をしている光雄。そんな光雄を見て、健太はさくらに、この間、取引先の人に深々と頭を下げている光雄を見たけど、いつもあんなに丁寧に見送るのか?と聞く。さくらは、健太の問いには答えず、わざと明るく振る舞い、やっぱりカレーを食べてよ、勧める。そして、逆に彼女のことについて聞くさくらだが、歯切れの悪い健太の応対に、フラれたか、と言う。
健太は、バツが悪そうにカレーを食べる。

笑顔は出ないものの、スタッフ達と和気あいあいとする健太の姿を物陰から見て、闘志を燃やす氷室。

Giselleのライブイベント会場を訪れる健太。健太に気付いた明音は、東京ドームでライブができるようなバンドを目指すと健太を見つめて言う。もともと、それは健太が言い出した目標だった。複雑な表情の健太。

しょぼくれて歩いていると、氷室が健太を待ち伏せしていた。話がある、と言う氷室。「君のやりたいことは一体何なんだ?君のバンドだったんだろ?」と言い、GiselleのCDを健太に差し出す氷室。ロックを歌っていた健太に、童謡が歌えるのか?そして、番組に対する愛情があるのか?と聞く。健太は、番組に対する愛情はない、と言い、氷室の話途中で去っていく。

家の前までくると、夜遅くまで工場で一人で働く光雄がいた。
「年寄りはもう寝る時間だよ。夜更かししてんなよ。ぶっ倒れても知らねぇからな。」
「余計なお世話だ。」
「あっ、そう。」と、家に入ろうと歩きかけた健太に、
「あぁ…この間の…あの歌、なかなかだったな。」と言う光雄。
「何だよ、急に。」戸惑う健太。
「素人にしちゃ、なかなかだった、って言う意味だ。」
「歌なんかどうでもいい。もう寝るわ。」と答える健太。そんな、健太を見つめ心配そうな光雄。
部屋で寝っ転がり、行き場のない状況で、モヤモヤした気持ちの健太。

また、番組収録中に、無表情に踊る健太は、笑え、と美月に怒鳴られる。「笑えません。」と健太。斎藤も「嘘でもいいんだからさ、笑おうよ。」と言うと、「嘘なんてついていいのかよ。嘘は嘘だよ。嘘なんてついたら、歌なんて歌えないよ。」と、暗い表情で答える健太。
収録は一旦中止となり、健太はスタジオを出て行く。

屋上で、タバコをふかして考え込んでいると、真鍋がやって来る。タバコなんて喉に悪いし、あなたって本当にプロ意識がないのね、と言い、健太からタバコを取り上げる真鍋に、
「真鍋さん、俺、本当にここにいていいのかな。こんな気持ちのまま番組やってていいのかな。何で、俺、採用されたんですか?間違って面接受けて、何で、俺受かったんですか?」と聞く健太。
「何でだろうねぇ。まぁ、強いて言えば女の勘ってやつかな。」と答える。
「じゃあ、当てになんねぇな…。」
「でも、君次第でしょ。君の気持ちと努力次第。この番組に子供達が戻ってこられたのは、矢野健太のおかげよ。でもね、それだけじゃダメなの。肝心の君の気持ちがフラついているようじゃ、どこにも進めない。」
「俺が歌いたいのは、童謡じゃねぇんだよ。」
「だから、笑えないんだ…歌えないんだ。でも、楽しそうだったけどな、この間のライブ。何を歌うかってことと、どう歌うかってこととどっちが大事だと思う?それがわからないんだったら、何をやってもうまくいかないわよ。」と言い、立ち去る。

健太が戻ってくるのを待っている、真鍋とスタッフ。しびれを切らしたスタッフは、健太抜きで収録をすると決定。しかし、健太が戻ってくる。

子供達の中に、一人だけやんちゃな子供がいる。専務の孫のわたるだ。健太はまとわりつかれてフラフラ。専務からよろしく頼むと言われるが、しかし、収録が始まると、暴れまくるわたる。手がつけられない状態だが、専務の孫なので、皆、何も言えない。収録が中断中、健太は何もせず、暴れるわたるを見ているが、とうとうキレて、わたるに近づき、頭を叩く。「やりたくねぇんなら帰れよ!」と言う。わたるは「やーだよ。テレビには出たいけど、踊るのはやだ!」と言うと、他の子供達から、踊るのが嫌なんじゃなくて踊れないんだろう、と指摘され、わたるは怒って健太を蹴る。蹴られた健太は、わたるを突き飛ばす。泣き出すわたるに「泣いてんじゃねーよ。あーっ、面倒くせぇ!」と言う健太に、真鍋は出て行けと言う。健太は、不貞腐れてスタジオを出て行ってしまう。

真鍋がロビーに来ると、健太が衣装を持って待っていた。
「さっきは、どうもすみませんでした。これお返しします。」と言う健太。
「それが、あなたの出した答え?」
「どう歌うかってことより、何を歌うかってことが大事なんだ、俺は。俺は、子供のために童謡なんか歌えねぇ…だから、番組辞めます。」と衣装を真鍋に差し出す健太。
すると「それで?それで健太はどうしたいの?」と明音が話に割り込んでくる。
健太は、またお前達と歌いたい、と言うが、もう遅い、今度なんてない、もう住む世界が違うから、歌いたいなら自分で自分の場所を探すしかない、甘えないでほしい、健太のおかげで自分も夢を持てた、今戻ったらお互いがダメになる、という明音。
健太は、明音に一方的に勝手なことを言われるが、頑張れよ、と言って別れる。
真鍋は、健太を面接した時のことを思い出し、女の勘ははずれたか…と呟く。

健太が帰ろうとするところへ、ちょっと付き合って欲しいんだけど、とみちるがやってくる。誰もいない、スタジオで、わたるに踊りを教える健太とみちる。かすかに聴こえる歌声にひかれて、スタジオを覗く真鍋。わたるは、最後まで踊りきる。
「できたーっ!」とわたる。真鍋は拍手をして近づく。
「今日はごめんなさい。」と、健太に素直に謝るわたる。
健太も「泣かしたりして悪かったな。」と言うと、「泣いてねーよ!」とムキになるわたる。
泣いてねーよ、泣いてたよと言い合ううちに、健太に顔に笑顔が。

わたるは帰り際に、車のガラスドアごしに「歌のおにいさん、歌ってくれてありがとう!」と言いニコッと笑うと、戸惑いながらも、健太もニッと笑い返す。
そして、「真鍋さん、歌のおにいさんになるには…俺、どうしたらいいですか?」と聞く健太。「その気持ちがあれば、十分よ。」と、肩を叩く真鍋。
番組のオープニング曲を歌いながら、「よいこのみんな、みな歌始まるよ~!」とカメラに向かって叫ぶ健太の顔は、少しは吹っ切れているのだった。


やっと…少し前向きになってきた健太です。
今回も…思うのは、あの下手くそな明音の演技と、あのセリフはいるのか…?
今回も、お前が言うな、みたいなセリフがありましたが、何かって言うと、棒立ちになって出てきて、お前のプロモのドラマか?と思わせるような気持にさせられ後味悪い。
でもって…あの、みちるとかって子供の設定も、デカいんだよなぁ。何か、登場する子供達は、ちっこい子達ばっかりなのに、あの子供だけ、何であんなに老けているのか…。違和感だわぁ。
さて…今後はそのみちるの復帰に、姉のさくらの見合いと、どうなっていくんでしょうか…。