理不尽な祭り

天下の奇祭と言われる祭りが、土曜日にあったんだけど、この辺りじゃ結構有名な祭りでね、はだか祭とも呼ばれているんです。ワタクシは地元じゃないけど、地元以外に近隣の地域の人達も、何か知らないけど結構巻き込まれもし、参加もする人が多い。はだか祭なんで、選ばれた神男ってのがいて、その神男が厄を全部背負うってことで、そいつが登場すると、神男に触ろうとうするはだか男達と、神男を守ろうとするはだか男達がもみ合いになり、神男が神殿に入ったら終わりっていう祭りらしいんだけど、実際、ワタクシは興味もないので、行ったこともないし、テレビのニュースで見る程度だから、詳しくは知らないけど、多分そんな感じ。

ワタクシは、無宗教だけど、そういう神社とかに祀られている神様っていうのは、信じるか信じないかって言われれば、信じるほうなんだけど…。
金曜日の夜に、普通は会えないっていう神男に会わせてもらえるって話があって、その地元の有力者の力添えなんだけど、親が一緒に行く？って聞いてきたので、まぁ…話のネタに行ったんです。

確かに、興味もなかったから、その祭の趣旨みたいなものを知らなかったけど、感想を述べるなら、何だこれ、二度といいわって感じ。

夜9時も回ってたんだけど、結構待たされたんです。夜の神社は、祭りの前日ということもあってか、人の出入りも結構あって、鏡餅が奉納されているので、それを見に来る人も多かったんです。鏡餅は、超巨大な鏡餅が１つ、それは、持ち回りで近隣の地域が奉納しなければならないらしい。で、あとは、個人なのか会社なのか何か知らんが、いくつもその大鏡餅より小さい鏡餅が奉納されてました。その餅を見てたら、地元の人なんだろうなぁ、知らないオッサンが、あのサイズで60万円とか教えてくれました。その餅は、祭りが終わると今度、少しずつ切って販売されるんですよ。だから、60万円の餅を寄付しても、半分くらいは戻ってくるんだとか、詳しいことを教えてくれました。金か…と思って聞いてたけど、そういえば、その神男ってのも、地元からなのか知らないけど、普通の市民から選ばれるんですよ。でも、それにも色々な噂があって、お金を積めば選ばれるらしい。500万くらいなんだとか。で、実際、祭りの日は、そのはだか男達が触れようと必死に押し寄せてくるから、神男を守る立場のはだか男がいるわけです。でも、お金をケチると、守ってくれないんだとか。そうなると、危険だわな。過去には、救急車で病院送りになった神男もいます。なので、神男に選ばれると、1000万くらいは必要らしい。フッ、胡散臭ぇ…。

で、その神男に会わせてもらえるってことになり、神棚が祀ってあるところへ通されました。ふと、その神棚が祀ってあるところの横のスペースに、床の間みたいなのがあって、神男と書かれた紙がぶら下がってて（その文字も貧弱で、達筆じゃないから、迫力もなし）、その下に神男が座って、前のグループの人達の加持をしてたんです。その様子を見てたら、神男の前にひれ伏す人達の頭に、何かあのよくシャーシャーって振る紙がついた棒があるじゃないですか。どういう名前がついてるのか知らないけど、あれを加持を受けてる人の頭のところで神男が振ってたら、「もっと強く！グッグッと！」と神男が怒られているんです、オッサンに。まず、それを見て驚きましたねぇ。だって、仮にも、神男と称される人なんでしょ。一応、何日間かお籠もりをして、身を清めている神様の代理みたいな人ちゃいますのん？その人に対して、どなりつけるって何事ぞ、と思って見てました。
で、ワタクシ達の番もやって来て、終わってから、記念に写真も撮ってくれるらしく、カメラを渡すと、世話人みたいな奴等がいて写してくれるんですが、説明があったわけでもないんですよ。流れ作業のように、神男の前に座って、加持をしてもらい、神男に触って厄落としをしてもらうという動き、時間も短く、皆、戸惑いもあるわけですよ。そしたら、背後から、畳の上では座れ！神様の前だぞ！そんな態度をとるならもうやめだ！みたいな事を言うと怒鳴り声が。酔っ払ったような、その世話人のオッサンが、いきなり立ってる人達に対して怒鳴ってきて、ビックリしました。その、頼まれて写真撮ってる世話人みたいな人も立ってるんですよ。何だ、こいつですよ。祭壇の前に立っていたわけでもなく、その神男を神だと言うなら、加持の仕方を怒られている神男って何？しかも、その神社の神主とかさぁ、そういう人から注意を受けるならまだしも…酔っ払ったようなお前に言われる筋合いねぇよ…って。もう、興ざめです。ワタクシ、途中で抜け出ました。

あぁいう場所で、よく詣でられた、と言われることはあっても、怒鳴り声をあげられるなんてことは、初めてのことで、しかも、神を神と思っていない勘違いしてるのは誰なんだよ、何様？って思ったし、それに、神って言ったって、金積んで選ばれたんだろ、世話人みたいなのもガラの悪いような人ばっかりだったし、もう祭りの意味もわかんねぇ、と…。そんなに畳の上に立ってるのが気に入らないなら、最初から説明しとけよ。
神棚に祀ってある神様は信じるけど、そんな失礼な人間の言う事、やる事なんか信じるもんか。
二度と行かないし、ホント、気分悪かった。