ミミ言

思っていることをつぶやいていきます

屍鬼

ワタクシ、小説で2度読み返すってことはしないんですけど、これだけは2度読み返しました。
小野不由美さんの『屍鬼』(新潮文庫)。文庫で1~5巻までありますが、面白い。
ワタクシは文庫で読んだのですが、つい最近も何か急に読みたくなって読み返したんです。あらすじも全部わかってるけど、読んじゃいましたね。また、登場人物も非常に多いけど、でもそんなの気にせず読めちゃいます。
内容は、簡単に言ってしまえばゾンビっていうか、吸血鬼の話なんです。古い慣習が残っている村に、移築された古い洋館が出現し、そこに家族を装った一家が引っ越してきて、村に異変が起きてくる。勿論、その引っ越してきた一家のせいなんだけど、どんどん血を吸われた村人が村人を襲っていくんです。家族が家族を友達が友達を、と、もう死んでるんだけど、生き延びるために血が必要なので襲っていく。そして、村が死人で増えていく中、寺の住職と医者が何とかしようと立ち上がるんです。メインは、寺の住職の室井静信と幼馴染の尾崎医院の尾崎敏夫と屍鬼である桐敷沙子なんだけれど、それぞれの思いや人間関係とか、単に屍鬼と闘う話というわけで描かれてはいないんですよね。
小野さんの文は情景描写も本当に上手くて、これ、映画化されたら絶対に面白いだろうなぁって思う作品でしたね。5巻まであるけど、次、次って読んでいけるくらい面白いので、おススメです。