ミミ言

思っていることをつぶやいていきます

『歌のおにいさん』第4話

イメージ 1真鍋から、歌のおにいさんになるための指導を受けている、健太と守。
歌のおにいさんとは…きよく、やさしく、たくましく。子供達の手本であらねばならない!」
「軍隊かよ…。」「何か言った?矢野君!」
真鍋の後について、一緒に言わされている健太と守だが、健太は自分の言動から今の状況に至っているのに、ブツブツ文句を言いながら、相変わらずやる気は見えない。
テキストを開くと、歌のお兄さんは、身も心もどこまでも清く、すんだ泉のようでなければならない。よって以下の行動を厳しく禁ずる、と1ページ目に書かれている。
其の一 酒と煙草と男と女!
其の二 繁華街の出入りは厳禁!
其の三 寄り道禁止!
其の四 買い食い禁止!
其の五 アルバイト禁止!
其の六 競馬・パチンコ・宝くじ!賭け事一切禁止!
其の七 公衆の面前でのご不浄入室は厳重に処罰する!
健太は唖然とする。「ご…ご不浄?」と健太。「お手洗いのこと。」と守に教えられて、「マジかよ…。アイドルじゃあるまいし、何考えてんだよ…」と呆れる健太。
「ちょっと、言葉づかいに気をつけて!言葉の乱れは心の乱れ!」と真鍋に注意され、「チッ!」と舌打ちする健太に、容赦なく真鍋の指し棒が飛んできて「舌打ちしないっ!」と叱られ、ビビる健太。
そして、真鍋から優しいという文字を黒板に書くように言われて、書けない健太を尻目に、みちるが出てきて、〝優しい〟という文字を書く。みちるとあんずとニーナはマカロンキッズというグループを組んでいてレギュラーだったのだが、氷室が子供を嫌いだったのでしばらく休んでいたのだ。しかし、氷室がいなくなったので、復帰をしたのだった。健太達のことを新入り扱いをするマカロンキッズに、不満の健太。文句を言うと、「そいつらって言うのやめてくれる?あんたより芸歴長いんだから。あんたが、まだランドセル背負ってた頃、既に私はカメラに向かって笑顔を振りまいていたんだからね。子タレなめんなよ、健太。」と啖呵を切るみちるにビビる健太。
健太が笑わないと、健太に思いっきり蹴りを入れるみちる達。
俺…子供嫌いです…。

自宅で、〝優〟という文字を書いている健太。小山が、卒業がヤバくて試験勉強をしているのか聞くと、さくらが「卒業できたところで、所詮ニートだもんねぇ。何だっけ?何だっけ?」と健太に聞く。「歌のおにいさんだよ!」と答える健太に「歌のおニートさんね。」とノートを覗きこむ。そして、〝優〟という文字は、優しい、優れる、優雅、優美…健太には全く縁のない字だ、でも、ひとつだけ優柔不断は当てはまるけど、と茶化す。

メイク室に健太と守が入ってくると、遅い!と注意するみちる達。健太と守達がメイク待ちをしているのに、みちるはうららのようなおばさんメイクは嫌だからやり直すように文句を言う。メイク担当のさやかは時間がないから、と断るが、勝手にメイクを落とし始めるみちる。そして、健太達を部屋から追い出してしまう。

スタジオの隅っこで、仕方なく自分達でメイクをする健太達。そこへ、見学の子供達が入ってくる。みちるのクラスメイトらしい。大吾がみちるに声をかけるが、みちるはそっけない態度を取る。そんな様子を気にしながらメイクをする健太の眉毛は一本につながってしまう。

収録中も、うららのことを〝おばさん〟呼ばわりする、マカロンキッズにうららは沸々と怒り心頭。健太達を味方につけようとするが、健太も守も乗り気でない。しかし、うららにけしかけられて、健太がみちるの元へ行くと、「ウザい。」の一言。そこへ、見学していたみちるのクラスメイト達がやって来て、テレビ局なのに知らない人ばかりで有名な人がいない、と言い、みちるの衣装もおかしいと笑う。みちるの好きな大吾まで、頷くと暗い表情になるみちる。状況を察した真鍋は、みちるのクラスメイトを追い払う。
しかし、収録中も黙りこくるみちる。収録は一旦中止し、真鍋は、仕事の邪魔をするなら帰るように、とスタジオからクラスメイトを退出させる。そして、みちるに友達を呼ぶなんて聞いてなかった、スタジオは仕事をする場所で、この場所にいる限り大人も子供も関係ない、自分の都合で周囲に迷惑をかけるのはプロとして失格だと説教をする真鍋。

Giselleのメンバーがバレンタインライブの打ち合わせをしている。明音はアンコールに『Love』を追加したいと安斉に申し出る。その曲は、健太が以前、歌いたいと言っていた曲だった。そして、明音は、ライブチケットを健太に送る。

さやかに誘われて、健太と守は居酒屋にいる。守は、繁華街への出入りは禁止だからと拒むが、健太は保護者同伴だからいいんだろう、と気にしない。3人は、今のみなうたの現状について大奥のようだと話し合っている。氷室は嫌な奴だったが、いることによってまだ秩序は守られていたんだ、と。さやかは、健太と守がちゃんとしないと、これから醜い女の争いに巻き込まれるだろう、と脅かす。守は、「矢野君、何とかして!」と怯える。健太は「また俺かよ…。」と呟く。さやかも、みちるは小さい頃からこの世界にいるので、あまり人を信用しない子供だが、唯一、健太になついている、と言う。しかし、最近の態度はおかしい、とも。

番組ロケで小学校を訪れる、みなうたスタッフ。そこはみちるの通う小学校だった。休憩途中に子供達が健太達のところへ集まってくる。
「守…ロケって半端ねぇな…。」
「おやっ、僕たちって人気もんだねぇ!」と喜ぶ守の横で、健太は「嬉しいか?」と嫌そうな顔で聞く。子供から、肩車やってぇ~と言われると、「チッ、クソガキがっ!」と呟く健太。守から、言葉づかい!舌打ちしない!と注意され、健太は「え~っ、健太お兄さんは肩コリがひどいので、肩車はできません。」と答えると、子供達から、え~40肩なのぉ?と聞かれ、「ちげぇーよ。」と睨みつける健太。
煙草を吸おうとして、守から取り上げられ、二人でぷらぷら歩いていると、プールのそばで、大吾とみちるを見つける。そこへ、うららもやってきて、3人は2人に気付かれないように様子を見ている。
大吾は、みちるが休んだ時の授業のノートを手渡す。そして、みちるは大吾に赤い小さなリボンの付いた箱を差し出そうとすると、大吾が健太達に気付いてしまう。慌てて逃げようとする健太と守だったが、うららはここぞとばかりに、健太と守を引き連れて、みちる達の元へ。
そして、みちるは仕事中、大吾は授業中、こんなところで何をしているのか?と説教をし、みちるが渡そうとしていた箱を、こんなもので男を釣ろうとして、と取り上げる。健太も、調子にのって箱を取り上げ、こんなちゃっちいもんじゃ釣れねぇよ、と言い大吾に渡そうとするが、大吾な受け取らない。「最低。」と怒ったみちるから、健太は蹴りを1発入れられ、倒れる。箱を拾い上げみちるがうららの方へ投げると、よけたうららの背後にいた守の顔に当たる。そして、立ち去っていくみちるとうらら。健太は、大吾に「お前のだろ?」と渡すが、「違います。」と答え、受け取らない大吾。

帰り道、健太は買い物帰りのさくらを見つけ、声をかける。そして、みちるが大吾に渡そうとしていたその箱の話をすると、さくらは時季的にバレンタインのチョコじゃないの?と言う。ハッとする健太。自宅に着き、郵便受けに健太宛の手紙を見つける。Giselleのバレンタインチケットが入っていた。
健太はそれを見つめながら、もし、Giselleがデビューできたら、Giselleが生まれた日、バレンタインデーに明音にチョコをやる、と言っていた昔の事を思い出す。

うららに対するみちるの攻撃はおさまらない。うららを侮辱し、泣かせてしまう。スタッフの言うことも聞かず、見かねた真鍋はみちるを叱る。そして謝るように言うが、みちるはスタジオを出て行ってしまう。その光景を見ていた健太は、みちるを追う。屋上にいたみちるに、チョコの箱を返す。そして、昨日のロケの行動は度が過ぎたと謝る。
「優しいってさ、人を憂うって書くんだよね。人を憂うってことは、相手を心配してあげるってことなんだって。人の痛みとか悲しみとかをわかってあげるってことなんだって。だから優しいって字になるんだって。大吾君が教えてくれたの。仕事であんまり学校に行けないから、私、クラスでちょっと浮いててさ。でも、大吾君は放課後一緒に漢字の書き取りやってくれた。転校しちゃうんだ、もうすぐ。バレンタインの日に福岡に行っちゃうんだって。だから…もういいの。これは健太にあげる。」とチョコの箱を渡して立ち去るみちる。健太は、帰り道にチョコレートを買う女の子達を見て、Giselleのチケットをポケットから出して見つめる。

打ち合わせを一通り終えた、安斉は「始まっちゃうじゃん。」とテレビをつけて、みなうたを見る。健太をじっと見つめる安斉。

バレンタインの日。健太はめかしこんで部屋から下りてくる。さくらと小山は、またそんな健太を茶化す。

収録を終え、みちるを呼び止めようとするが、子供達に囲まれ邪魔される健太。みちるの楽屋まで行くが、勝手に入ろうとして追い出される。みちるが出てくると、チョコの箱をみちるに返す健太。「ちょっとつぶれちゃったけどな。今日、行っちゃうんだろ、渡してこいよ。気持ち、ちゃんと伝えないと後悔するぞ。」と言うと「ありがとう、健太。」と言い、箱を開けてチョコを食べ「アタシ、これからドラマの撮影があるから、じゃあ。」と箱をゴミ箱へ捨てて立ち去るみちる。健太は、そんなみちるをいじらしく思う。

健太も着替えて、帰ろうと立ち上がるが、手にしたチョコの箱を見つめ、考え事をしている。チョコの箱に挟んであるカードを見る。カードには〝Congratulation!〟と書いてある。そして、ライブチケットを取り出し19:00からスタートと書かれてあるのを確認し、時計を見る健太、18:30。慌てて、楽屋を飛び出す。ドラマの台本を見ながら、廊下を歩いているみちるの手を掴み「みちる、来い!」と連れ去る。真鍋に見つかり、連れ戻されそうになるが、健太は「何をやってたって、ガキはガキなんだ。ガキにはガキなりに大事なもんがあるんだ。ガキの今だからこそ、甘えていいじゃねーの。」と台本をつっ返し、みちると走り去る健太。楽屋のゴミ箱には、〝Congratulation!〟と書かれたカードが捨てられていた。

大吾の家の前に到着すると、荷物を車に積み込んでいるところだった。みちるの背中を押す健太。そして「みちる、とりあえず、今年はそれで凌いどけ。」と健太のチョコをみちるに渡す。みちるは大吾に近付き告白する。「ありがとう、優しいって漢字教えてくれてありがとう。あのね…大吾君のことずっと好きでした。」と言ってチョコを差し出すみちる。大吾はチョコを受け取り、「向こうに行っても電話してもいい?」と聞く。そんな二人の様子を見届け、健太はライブ会場に急いで向かう。そして、途中の店で、チョコを買い、走り続けるが、到着した時にはライブは既に終了していた。受付で、チョコとチケットだけでも渡して欲しい、とお願いをする。チョコを貰った明音は、カードを開くと〝おめでとう!〟と書かれていた。そんな様子を、見つめる安斉。

健太は、夜空を見上げて微笑むのだった。